すでに流行拡大中! 知っておくべき、今年のインフルエンザ対策
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<インフルエンザは今年も猛威を振るうのか。予防と治療に関する最新事情を知っておこう>
今年もいよいよインフルエンザの予防接種が10月1日からスタートした。今年は例年よりも早くインフルエンザが局所的に流行りつつあり、都内でもすでに江戸川区の小学校でインフルエンザA型による学級閉鎖に追い込まれている。
予防接種はどのタイミングで打つべきか。治療のための新薬ゾフルーザは従来の抗インフルエンザ薬とどう違うのか。拡大を最小限に留めるためにも、最新のインフルエンザ対策の事情は知っておきたい。
予防ワクチンは午前中に打つと効果が高い?
大人が1回、子どもは2回打つことが推奨されているインフルエンザの予防接種。高熱などの副作用がままあることや、打ってもインフルエンザにかかるケースがあることから、あえて予防接種は打たない反ワクチン派も一定数いるようだ。
だが、インフルエンザによって引きおこる、肺炎など重篤な後遺症も度々報告されていることから、医師がストップをかけない限りは打つほうが賢明だろう。
最新の研究によると、予防接種を打つ時間もワクチンの効果に関係することが分かってきた。
バーミンガム大学のアンナ・フィリップス博士の研究によると、午前中にインフルエンザの予防接種した場合、午後に接種したときと比べて、抗体が3~4倍増えることが分かったという。免疫力を高めるT細胞の働きが、午前中の方が活発であるためだそうだ。どうせ打つなら午前中の方が、ワクチンの効果をより生かせるということだ。
ちなみにインフルエンザの予防接種は、5カ月間有効というのが一般的な見解だ。日本でのピークは例年1~3月なので、11月初旬に打てばこの期間をカバーすることなる。
たとえば神奈川県では小学校受験が今月から始まるなど、既に受験シーズンに突入しているケースもあるようだが、大事な試験が控える受験生の場合は、本番から逆算して接種するタイミングを計るといいだろう。
1回の服用で完了する新薬「ゾフルーザ」とは?
それでも運悪くインフルエンザにかかってしまったときは、治療薬に頼るしかない。タミフル、リレンザ、イナビルなど従来の抗インフルエンザ薬に加えて、今シーズンは新薬ゾフルーザの処方が始まった。
従来の抗インフルエンザ薬が、ウィルスの拡散を抑えるのに対し、ゾフルーザはその前段階としてウィルスの増殖を抑える働きをするという。その効果は、24時間で体内から検出されなくなるレベルまで、ウィルスを減少させると報告されているそうだ。
実際、米国の国立生物工学情報センター(NCBI)の報告によると、インフルエンザ患者約1440人を対象にした臨床試験では、タミフルを投与した場合と比べて、発熱や関節痛などのインフルエンザの症状が出ている期間こそ同じだったものの、ウィルスが身体から消えるまでの期間は約3分の1で済んだことが分かっている。
つまり、ゾフルーザを飲んだとしても症状がなくなる期間はこれまでと変わらないかもしれないが、ウィルスが早く消滅する分、人への感染を防ぐのには効果が期待できるということだ。家庭内、学校、職場でのウィルスの蔓延が減ることが予想される点で画期的な治療薬になるといえるだろう。