【潜入調査】入店40分待ち!? フランスの高級ブランド店に並ぶ中国人観光客の実態
ギャラリー・ラファイエットにある「ルイ・ヴィトン」に入店するための、40分待ちの行列(Photo:Ayana Nishikawa)
<日本では過去のものと化した中国人の「爆買い」。そのパワーは今、フランスのラグジュアリー市場で爆発している。現地在住ライターが、老舗デパート「ギャラリー・ラファイエット」に潜入してみた>
パリの中心部、オペラ座のすぐ近くに位置する、欧州最大級のデパート「ギャラリー・ラファイエット」。このデパートの本館からほど近い距離に、2017年3月に開店した「ショッピング&ウェルカムセンター」は、アジア人の団体客のために造られた別館だ。とはいえ、大半は中国人の団体客が占めている。
中国人やアジア人の団体客のために造られたギャラリー・ラファイエットの別館「ショッピング&ウェルカムセンター」。日中には団体客を乗せたバスが到着する。(Photo:Ayana Nishikawa)
この建物の隣に観光客を乗せたバスが停まり、一斉に中国人ツアー客たちが館内に到着すると、彼らは中国語でデパートについての案内を受ける。その後、バスの出発時間までの自由時間に買い物をするという流れだ。
「ショッピング&ウェルカムセンター」では、販売員の大半が中国人。中国語を話すフランス人も複数いる。彼らはフランス語、英語、中国語の最低3か国語を操るのはざらで、日本語、韓国語などのアジア圏の言語を流暢に話す人も稀ではない。館内の表記も中国語で書かれ、中国で普及しているモバイル決済サービス、アリペイ(支付宝)やウィーチャットペイメント(微信支付)にも対応している。店内を歩いていると、まるで中国国内のデパートにいるかのような錯覚に陥る。
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「ショッピング&ウェルカムセンター」館内でバスを待つ観光客。館内には約4カ所待合場所があり、買い物袋を抱えた人たちでいっぱい。(Photo:Ayana Nishikawa)
ギャラリー・ラファイエット、アジア部門の広報ディレクター、デルフィーヌ・コモロフスキ氏は、「ショッピング&ウェルカムセンター」を開店した背景をこう述べた。
「弊社の顧客は50%が国内から、その他が海外からの顧客だ。なかでも、アジア人の割合は高く、重要な存在である。しかし、2015年をピークにアジアからの団体客で本館が大混雑するようになった。観光バスが次から次へと本館周辺に到着し、免税手続きには長蛇の列ができていた。余裕を持って買い物を楽しむスペースが確保できなかった」