デンマーク発の食リサイクル事業が好調! 廃棄食品を減らす北欧流の新展開とは
「2016年のスタート以来、デンマークに続き、隣国のノルウェー、英国、ベルギーとヨーロッパの8カ国に広がり、アプリのダウンロード数は、100万に届こうとしています。現在までに600万食を廃棄処分にせずにすみました。ヨーロッパだけでなく、世界中に広げていくのが目標です」と広報担当のラスムセン。
ちなみに、「1食分」とは、翌日まで残せない食品をミックスしたセットのこと。たとえば、レストランなら肉料理にサラダ、パン屋ならバゲットにクロワッサン、デニッシュなどが入っている。食べ残しではないから、ドギーバッグではなく、「マジックバッグ」と呼ぶ。食品だけでなく、花屋から余ったブーケセットも提供される。価格は通常価格の50%以下、1キログラムのバッグでおよそ2キログラムのCO2削減につながるという。
幅広い層を狙う、アンテナショップの役割
さて、アンテナショップに話を戻そう。入り口横には作業用デスク、カウンターの奥には段ボール箱が積み上げられ、商品が並んだ棚は驚くほど少ない。「ここではスーパーや商店では扱えない、賞味期限間近の製品を置いています」と、スタッフのジェフ。カウンターではスタッフが老齢の女性に、スマートフォンのアプリの使い方をわかりやすい言葉で説明している。
棚には商店等で扱えない賞味期限間近の製品が並ぶ Photo:Too Good To Go
「トゥー・グッド・トゥー・ゴーの主な利用者は、アプリでその日の食品をチェックして、閉店間際のレストランやスーパーに引き取りに行ける世代に限られていました。今後は品物にもよっては店で受け渡しをします。そうすれば、幅広い世代に利用していただけると思います」とジェフは話す。
風力発電の供給量が電力全体の43%というエコの国で誕生した食リサイクル企業は、世界中に広がっていくかもしれない。
アプリの使い方もショップスタッフが教えてくれる Photo:Too Good To Go