「女たちは全てを手に入れることが難しい道を選んでいる」 妊娠適齢期を逃す女性
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<母親になりたいか尋ねたところ、56%が25~30歳の間に家庭を持つことが理想としながらも、このうち4分の3は、30代になるまでは親になることは計画していない――>
新たなテクノロジーや医療の発展は、女性に出産年齢を引き延ばす選択肢を与えた。だが専門家によると決定にはリスクが伴う。女性は「全てを手に入れることができる」という望みは、幻想なのかもしれない。
妊娠を支援する団体 ザ・ストークが行った新たな調査結果から、キャリアと身体の事情の挟間で苦しむ女性たちの切実な声が露になった。
対象は18~45歳の女性1000人。調査結果を受け、英デイリーメールに寄せられた国民保険サービス(NHS)の心理医療コンサルタントであるキャサリン・フード博士のコメントからは、考えさせられるものがある。
「努力はしている」それでも、乖離する理想と現実
全ての女性に母親になりたいか尋ねたところ、56%が25~30歳の間に家庭を持つことが理想としながらも、このうち4分の3は、30代になるまでは親になることは計画していないと答えた。51%が人生計画はキャリアの影響を受けるであろう、あるいは既に受けているとし、44%が住環境に問題があると答えた。
女性に寄り添いながら何年も妊娠の手助けをしてきたフード博士はこう言う。「多くの女性は母になることを後ろ倒しにしているが、妊娠のための努力はしている」と。実際、7組に1組のカップルは子供を授かろうと努力をしている。
不妊治療に臨む際には、女性のホルモンの状態や男性の精子数減少など、カップル双方の様々な理由が影響してくるのは事実だが、社会的要因として、女性が母親になることを遅らせることが、状況をさらに複雑化させているとフード博士は考える。
「悲しいことに、女性たちは全てを手に入れることが難しい道を選んでいる」