最新記事

フェイクニュース

ヘレン・ケラーの存在まで疑うネット上の陰謀論

Too Saintly to Be “Real”

2021年4月2日(金)14時30分
レベッカ・オニオン

そういう事情を踏まえるなら、いまSNSで彼女への誹謗中傷が拡散している理由も分からぬではない。生身の人間が偶像化され、特定の人たちのヒーローに祭り上げられたら、必ずどこかで反発が出る。「今のアメリカでは、どんなヒーローも無傷ではいられない」とカドリックは言う。「私たちはあれこれと調べまくり、そういう人たちが自分の思っていた、あるいは教わってきたイメージとは違うことに気付く。ヘレン・ケラーだって、そうした詮索から逃れられない」

「ケラーは常に道徳的な模範として語られてきた」とニールセンは言う。「でも公民権や教育の歴史に関する議論の中に彼女の名前が出てくることはない。私たちがケラーを、特別支援教育法や障害者の市民権に関する話の中で取り上げることもない」。しかし彼女は「その全てに関与してきた」のだ。

そのことこそ、私たちはしっかり記憶にとどめ、次代の人たちに伝えていかねばならない。

©2021 The Slate Group

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ブラジル、元建て国債発行を検討=関係筋

ビジネス

午前の日経平均は続落、400円超安 利益確定売りが

ワールド

南ア大統領が訪米へ、関係改善へ協議 トランプ氏と来

ビジネス

ノボノルディスク、米セプテルナと肥満症薬開発で提携
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    加齢による「筋肉量の減少」をどう防ぐのか?...最新研究が示す運動との相乗効果
  • 3
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 4
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 5
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 6
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 7
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 8
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 9
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 10
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中