ヘレン・ケラーの存在まで疑うネット上の陰謀論
Too Saintly to Be “Real”
2021年4月2日(金)14時30分
そういう事情を踏まえるなら、いまSNSで彼女への誹謗中傷が拡散している理由も分からぬではない。生身の人間が偶像化され、特定の人たちのヒーローに祭り上げられたら、必ずどこかで反発が出る。「今のアメリカでは、どんなヒーローも無傷ではいられない」とカドリックは言う。「私たちはあれこれと調べまくり、そういう人たちが自分の思っていた、あるいは教わってきたイメージとは違うことに気付く。ヘレン・ケラーだって、そうした詮索から逃れられない」
「ケラーは常に道徳的な模範として語られてきた」とニールセンは言う。「でも公民権や教育の歴史に関する議論の中に彼女の名前が出てくることはない。私たちがケラーを、特別支援教育法や障害者の市民権に関する話の中で取り上げることもない」。しかし彼女は「その全てに関与してきた」のだ。
そのことこそ、私たちはしっかり記憶にとどめ、次代の人たちに伝えていかねばならない。
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