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機密文書

外交公電という名の「文学」を読む

ウィキリークスが暴露した文書が明かす外交官たちの意外な個性と物語力

2010年12月9日(木)14時53分
クリストファー・ビーム

データの奥に 外交の現場を描き出す公電には独特のスタイルが光る WikiLeaksサイトからのスクリーンショット

 多くの同胞と同じく(ヌルスルタン・)ナザルバエフ大統領は馬に夢中だ──。あるアメリカ人外交官が送った「カザフスタン指導層の生活」と題する公電はそんな一文で始まる。

 その後に続くのは奇妙な面々の奇妙なエピソード。カリム・マシモフ首相がクラブで夜遊びをした際には「同伴者は早々にくたびれていたが、マシモフは独り、舞台の上で生き生きと踊り続けた」。ソ連崩壊後の退廃と虚無主義を見事に擬人化した描写ではないか。

 ピュリツァー賞選考委員会が注目してもおかしくない。内部告発サイトのウィキリークスが11月末に公開した米国務省の外交公電は、国際問題の内幕を明るみに出しただけでなく、公電の「芸術性」を世界に示した。...本文続く

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