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米政治

アジアはオバマに見向きもしなかった

2010年11月16日(火)17時38分
エリオット・スピッツァー(前ニューヨーク州知事)

同じ過ちを繰り返す共和党の愚

 さらに信じられないのは、この事態を招いたウォール街方式とまさに同じ政策に、今のアメリカが回帰しようとしていることだ。

 中間選挙の勝利で勢いづく共和党が掲げる最優先課題は、ウォール街のやり方そのもの。自由化路線への回帰とブッシュ減税の恒久化、金融危機の再発防止をめざすオバマの金融規制改革法の廃止、そして、支出を削減するフリをすることだ(共和党が表層的な削減以上の歳出カットを行う気配はないが)。

 長期的な意味でアメリカの競争力を高めるためのインフラ投資や教育投資は、話題にも上っていない。これでは、過去30年間の路線とまったく同じだ。

 アルバート・アインシュタインが言ったように、狂気とは同じことを何度も繰り返しながら、異なる結果を期待すること。アメリカはついに狂ってしまったのだろうか。

Slate.com特約)

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