この映画がきっかけになって、女性が製薬会社の主張に疑いの目を向けてくれればいいとキャナーは思っている。「多くの健康な女性が、かかってもいない病気を治すため、不必要な薬を飲む危険を冒すことになる」
女がセックスしたいと思うのはどんなときか。これは今も謎だ。エモリー大学の心理学者キム・ワレンは、霊長類の観察を中心に性行動を研究してきた。『オーガズム・インク』ではキャナーが、サルの求愛ダンスから学べることは何かと、ワレンに尋ねている。
しばし考えた後、ワレンは言う。「常に女性を気遣う姿勢かな」。これって、いかなる良薬よりも効きそうだ。
[2010年6月23日号掲載]