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アメリカNY監視カメラ網はロンドンより高性能
ニューヨーク市警(NYPD)はこのほど、イギリス主要都市に張り巡らされた監視カメラ「CCTV」網よりも高性能で効率的なシステムを、市内に構築中だと発表した。
ロンドンの場合、警察は市内全域に設置された約50万台の監視カメラにアクセスできる。一般人が市内を移動すれば1日平均200〜300台のカメラに映るという。
NYPDテロ対策局のジェシカ・ティッシュ政策企画長によると、NYPDのCCTVシステムは当初はカメラの台数でロンドンに及ばないものの、単一のネットワークにつながるので映像データの伝達・処理を集中的に行える。データは撮影後30日間保存でき、その後破棄される。
さらに、カメラが不審な動き(放置された荷物や逆走する車、立ち入り禁止区域の進入者など)を感知すると、担当者に警告を発するソフトウエアも導入する。
イギリスのCCTVは事件解決や治安維持の重要な手段と称される一方で、プライバシーの侵害という批判も根強くある。諜報機関による情報収集や、監視の目的で利用されるようになったとの見方もある。
こうした前例を踏まえ、NYPDはCCTVを公共の場所に限って使用し「顔認識」ソフトウエアは用いないとしている。
[2010年6月 2日号掲載]