「マンモスの毛」を持つマウスを見よ!絶滅種復活は現実になるか?
A Mammoth Breakthrough

遺伝子編集によってマンモスのような毛を持つマウスが誕生 AUNT_SPRAY/GETTY IMAGES
<絶滅種の復活を目指す研究から生まれた、ふさふさの毛を持つマウスが意味すること>
絶滅したマンモスを復活させるための研究で、なんとも愛らしい生物が誕生した。ライオンのたてがみのような黄金色の毛を持つマウスだ。
マンモス属の代表的な種であるウーリーマンモス(ケナガマンモス)は、分厚い皮下脂肪やふさふさの体毛など寒冷地に適応する特徴を持っていたとされる。絶滅種の復活を目指す米バイオ新興企業のコロッサル・バイオサイエンスは、遺伝子操作によってこうした特徴をマウスに持たせることに成功した。名付けて「ウーリーマウス(ケナガマウス)」だ。
「ケナガマウスは、絶滅種を復活させるというわが社のミッションを達成する上で、大きな転換点となる」と、コロッサルの共同創業者であるベン・ラムCEOは語る。「ケナガマンモスを復活させるという目標に一歩近づいた」
研究チームはまず、62頭のゾウと、120万〜3500年前のマンモス59頭のゲノムを分析して、びっしり密に生えた体毛など、寒い生息環境に適応するための形質に大きなインパクトを与える遺伝子を特定。それを毛の特質(色、長さ、質、密度など)と脂質代謝に影響を与える遺伝子10個に絞り込んだ。その上で、ゲノム編集技術を使って、7つの遺伝子に改変を加えてケナガマウスを生み出した。