「マンモスの毛」を持つマウスを見よ!絶滅種復活は現実になるか?
A Mammoth Breakthrough
ゲノム編集により、ケナガマウスは通常のマウスとは異なる体毛の発育サイクルを持つようになり、毛の長さは通常の3倍にもなる。
また、毛包の成長と構造に関連する遺伝子を改変することで、羊毛のような毛質でウエーブの入った体毛のマウスができた。ひげもカールしている。さらにケナガマンモスの標本に倣い、メラニン色素が関係する遺伝子を操作してマウスの体毛を黄色くした。
ケナガマウスはマンモス復活への道を開いたと、コロッサルの研究チームは胸を張る。このマウスは今後、哺乳類の寒冷気候への適応を研究する際に役立つとともに、特定の形質は複数の遺伝子が絡み合って生み出されることを示す事例になるという。
「これほど短期間で(ケナガマウスを)生み出せたことをとても誇りに思う。われわれは、生物の複雑な形質転換を効率的に実現することにより、遺伝子工学の限界を押し広げた」と、コロッサルのマンモスチームを率いるマイケル・エイブラムズは言う。「この成果は、わが社の科学者の高い技術と、予測どおりの表現型を生み出せる遺伝子工学プラットフォームのレベルの高さを示している」
新しい技術ではない?
CEOのラムも、「マンモスの進化経路がもたらした寒さに強い形質を、生きているマウスに組み込むことで、自然界では何百万年もかかった複雑な遺伝子の組み合わせを再現できた」と胸を張る。
だが、こうした自画自賛に首をかしげる専門家もいる。