「一夫一婦制」は間違い? 生物の「性的進化」研究で分かったセクシュアリティーの科学的な真実
DIVERSITY THE NORM
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Pixel-Shot/Shutterstock
<新著『性的進化』を発表した進化生物学者のネイサン・レンツが、動物の進化を通して人間の「性の問題」について語るインタビュー>
ずばり『性的進化』と題する本を今年2月に出したばかりの進化生物学者ネイサン・レンツに本誌メレディス・ウルフ・シザーが執筆の動機などを聞いた。
──なぜ進化生物学の道に?
歴史も生物学も好きだった、子供の頃からね。進化生物学は生命の自然史を研究する学問だが、そもそも人類には、昔から自分たちの歴史を知りたいという強い欲求があった。だから世界中でさまざまな創造神話が生み出され、それで人類の起源を説明しようとしてきた。でも今は、私たちの生物学的歴史を探るための科学的ツールや方法論がいくつもある。これは面白いと思って、足を突っ込むことになった。
──人間のセクシュアリティーや関係性を探るために、なぜ動物の進化というレンズを通す必要がある?
私たち自身について何かを理解しようと思えば、どうしたって進化のレンズが必要になるんだ。それに、セックスとセクシュアリティーは人類の進化にすごく大きな役割を果たしてきたと思う。なにしろ繁殖にダイレクトに関わるからね。親子とか友人とか職場の仲間とか、人間関係にはいろいろあるけれど、恋人、つまりセックスの相手との関係は特別だ。私たちの過去と未来をつなぐもの、それがセックスだから。