「ポケモンGO」は中国のスパイ? CIAの道具?...大人気ゲームを直撃した「スパイ疑惑」とは?

THE POKÉMON SPY PANIC

2025年1月8日(水)14時44分
ザック・ドーフマン(安全保障ジャーナリスト)

NSAでも多くの当局者がポケモンGOの懸念は杞憂だと考えていた。「ノンブーマー(ベビーブーム世代を軽蔑する若い世代)っぽくするなら、『ポケモンGOはいいOPSEC(オプセク、日常業務上の最低限の安全対策)じゃないから使うな』とでも書けばよかったんだ」と1人目の元NSA職員は語った。

だが実際のメモはそれとは程遠かったという。「ベビーブーム世代っぽい代物で......フォントサイズ36の(ダサいと撲滅運動まで起きた)コミックサンズ書体で2ページ、フォーマットもお粗末で、こんな調子だった。『やあ、みんな、ポケモンGOはナイアンティックというわれわれの知らない企業が出している中国のスパイアプリで、君たちのカメラを使って君たちが歩き回っている世界の3Dモデルを構築し、生活パターンを基に情報収集をしているから使用禁止だ』」


だが「どれ1つ真実ではなかった」と元職員は言う。「ナイアンティックはごく普通の企業」で「妙なメールに大勢の職員が引いた」。多くの職員は『うるさいな、局内の至る所でポケモンGOをやってやるぞ』的な反応を示した」という。

この大騒ぎの間、マゴーワンにはCIAからもNSAからも直接連絡はなかったが、エネルギー省からは立て続けに電話があり、相手は皆、動揺した様子だったという。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米12月雇用25.6万人増、予想上回る 失業率は4

ビジネス

米デルタ航空、25年の利益も好調と予想 株価11%

ビジネス

米利下げ時期予想後ずれ、BofAは利上げも想定 雇

ビジネス

米消費者のインフレ予想急上昇、トランプ関税を懸念=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国の宇宙軍拡
特集:中国の宇宙軍拡
2025年1月14日号(1/ 7発売)

軍事・民間で宇宙覇権を狙う習近平政権。その静かな第一歩が南米チリから始まった

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア兵を「射殺」...相次ぐ北朝鮮兵の誤射 退却も阻まれ「弾除け」たちの不満が爆発か
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」
  • 3
    トランプさん、グリーンランドは地図ほど大きくないんです
  • 4
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 5
    古代エジプト人の愛した「媚薬」の正体
  • 6
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 7
    装甲車がロシア兵を轢く決定的瞬間...戦場での衝撃映…
  • 8
    悲報:宇宙飛行士は老化が早い
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 1
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分からなくなったペットの姿にネット爆笑【2024年の衝撃記事 5選】
  • 2
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵の遺族を待つ運命とは? 手当を受け取るには「秘密保持」が絶対
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」
  • 4
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 5
    ロシア兵を「射殺」...相次ぐ北朝鮮兵の誤射 退却も…
  • 6
    装甲車がロシア兵を轢く決定的瞬間...戦場での衝撃映…
  • 7
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 8
    仮想通貨が「人類の繁栄と自由のカギ」だというペテ…
  • 9
    トランプさん、グリーンランドは地図ほど大きくない…
  • 10
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 3
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 4
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 7
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 8
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中