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人工知能で鮮やかに蘇る1897年のエルサレム

2021年12月2日(木)17時40分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
20世紀初頭のヤッフォ門

20世紀初頭のヤッフォ門周辺 Public Domain

<120年以上前に撮影された白黒映像に、最新技術が命を吹き込む>

「まるでタイムマシンみたい」──120年以上前の無音でモノクロの映像に、最新技術が新たな命を吹き込んだ。

カラー映像で見られるようになったのは、1897年に撮影されたエルサレムの街頭と行き交う人々の表情だ。ヤッフォ門のあたりで、賑やかな通りの様子がよく分かる。この門は1530〜40年の間に建てられ、何世紀もの間、西洋の巡礼者にとって旧市街への入り口であった。

この映像は、1897年4月にリュミエール社のアレクサンドル・プロミオが撮影したものだ。シネマトグラフを開発し、「映画の父」として知られるオーギュスト・リュミエールとルイ・リュミエールの兄弟は、世界中にカメラマンを派遣し、各地の記録映像を残した。

ユーチューブにカラー映像を投稿したフィルム・レスキューは「ノイズが見られ、色は自然ではないものの、かなり実際に近い」と述べている。

「人工知能を使って白黒フィルムをカラー化したことで、昔の様子をより高画質で見ることができるようになった」

滑らかさのためのフレーム調整、4Kへのアップスケーリング、輪郭を強調させ、ノイズの除去を行ったという。雰囲気を出すために音も加えられた。

動画は昨年8月に公開されたものだが、11月末にアメリカの人気投稿サイトRedditにアップされたことで再び話題となっている。

寄せられたコメントもユニークだ。

「リビングルームをそのまま背負っているような男性がお気に入り」

「2021年の人々に未来的なデバイスで覗かれていることを、彼らは誰も知らない」

150年後に2021年を振り返ったとき、私たちにはどんな視線を注がれているのだろうか。

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