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感染症対策

新型コロナウイルス感染追跡アプリ、期待のブルートゥース型に見えた課題

2020年4月29日(水)19時12分

プライバシー保護

全地球測位システム(GPS)や携帯電話の基地局データを用いる追跡方法に比べると、ブルートゥース型のアプリはプライバシー保護に配慮している。ブルートゥースを用いて近距離にあるスマホ同士で暗号化された仮名の信号をやり取りし、スマホ上に接触歴を残す方法なので、ユーザーの名前や電話番号は公開されない。

新型コロナの陽性が確認された人物の近くに一定時間以上いた人には、スマホから警告が発せられる。インドのアプリにはその他の機能もあり、GPSデータを用いて感染クラスターの特定も行う。

シンガポールやインドでは、ある程度プライバシーを犠牲にしてでもアプリを喜んで使いたいという人もいる。

ベンガルールでIT企業に勤める男性は「今はプラバシーは気にならない。少なくともこの危機の間はね」と語り、ロックダウン(都市封鎖)が緩和されればもっと頻繁に使いたいと話した。

しかしインドでは最近、政府と少数派イスラム教徒との緊張が高まっているだけに、プライバシーは重要な争点だ。

性的少数者(LGBT)の権利を求める活動家は「政府がいつ、個人情報を出せと求めてくるかという疑念は常にある」ため、アプリをダウンロードしていない。

バックグラウンド問題

シンガポールのトレース・トゥギャザーを巡っては、アップルのiPhone(アイフォーン)で「バックグラウンド」で作動しないことに、大きな不満の声が上がっている。つまり、常にアプリを開けておく必要があるため電力を消費する上、他の作業中に邪魔になることがある。アップルはセキュリティー上の理由から、アプリがバックグラウンドでブルートゥースにアクセスするのを許可していない。

アップルはグーグルとの共同開発で、この問題を解消するツールを導入すると約束している。ただ、位置データ利用を一切しないことや、アプリの利用は強制されないといった条件を順守するアプリだけに適用する予定だ。

[シンガポール/ニューデリー ロイター]


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