次世代スマート自販機はコンビニの未来をアマゾンと争う
無機質に見える自動販売機がIoTキオスクになる日も近い? (c) ReadWrite[日本版]編集部
<アメリカのアマゾンがプロジェクトコモというコードネームでCVS分野に進出することが明らかになった。だがこの分野に進出しようとしているのはアマゾンだけではない。ネットに接続されたスマート自販機がアマゾンの強力なライバルになろうとしている>
スマート自動販売機は、IoTがどのようにビジネスモデルを変え、収益に影響を与えるかがよくわかる例だ。
自販機業界に変革の波がやってきている。コネクテッドデバイスが生み出すデータにアクセスできるようになり、企業がそれをどう運用し、どう利益を生み出すかという方法が変わったのだ。デバイスが常に接続されることで、企業は自販機の状態把握をサービスとして提供できるようになった。
ユーザのカスタマイゼーション、セキュリティの強化、スマートペイメント、在庫や売れ行きパターンのモニタリングなど、自販機の利益率を向上する方法はたくさんあり、コネクテッドデバイスの可能性は無限大だ。
従来の自販機は、登場した100年ほど前に比べて各段に進化した。デジタル領域を含むテクノロジーがそれらをスマートで、接続性のあるものに変えたのである。
ケーススタディ:コカ・コーラ社とSAP
たとえば、コカ・コーラ社は次世代スマート自販機『Freestyle』を導入するために1600万のIPアドレスを保有している。ネットワーク接続性を自販機に持たせることで、コカコーラ社は各々の在庫のリアルタイムのマーケティング調査、顧客の好みを把握することができ、それに応じて飲み物の在庫を変えることができるのだ。Freestyleは、全米および全英のファストフード店で見ることができる。
もうひとつの大手はSAP社だ。同社は、無線機器のためにさまざまなプラットフォームやソリューションの開発を行っている。同社のソリューション『Smart Vending』は、リアルタイムのダッシュボードと可視化ツールで、ネットワーク全体および自販機のそれぞれの売上、メンテナンス情報などを把握することができる。
こうして、企業はさまざまなテクノロジーを使用することで、自販機をただスナックを販売するだけのものから"1つの販売センター"に変えることができる。Smart Vendingは、パブリックな場所や企業設備として見かけることができる。その中身は、コンピュータの備品やチケット、食品にオフィス備品などだ。IoTを取り入れない従来の自販機の所有者は、世間から取り残されることになるだろう。