マテリアルをつなぎ、めぐる社会をつくる...豊通マテリアルが構築する資源循環のエコシステム
車載電池の適正なリサイクルでエコシステムを創る
近年、豊通マテリアルが注力しているのが、電池のリサイクル事業だ。特に、車載電池に関しては、国内での持続可能な資源循環完結に向けて、BASC(一般社団法人 電池サプライチェーン協議会)に2021年発足時から加入。
リサイクルスキーム提案チームのリーダー企業として、国内リサイクルの促進・活性化に向けて経産省への政策提案などを実施するなど、電池リサイクルに関する国内循環の促進に向けても多方面で活動している。
自社事業としては、自動車メーカーと提携し、複数の国々から使用済みバッテリーを輸入し、適正なリサイクルに取り組んでいる。
使用済みの車載電池は、国外のリサイクル環境が脆弱な地域では不法投棄され、環境に悪影響を及ぼすことが懸念されており、自動車メーカーは拡大生産者責任の対象にもなる。
例えば、ハイブリッド車の主な輸出先となっているモンゴルでは、使用済みの車載電池の処理を原因とした環境問題が起こり得る状況だったが、同社はこの状況をいち早く問題視し、モンゴルから使用済バッテリーを輸入することで、適正な処理・リサイクルを実現した。
さらに、鉄スクラップの回収・加工を主要事業とする子会社のグリーンメタルズ、グリーンメタルズ北海道にて、車載用電池スクラップの取り扱いも開始し、新たな資源循環の先例となっている。
同社が次なる強化対象に掲げるのがアルミニウムの資源循環だ。2023年には、高い技術でアルミニウムの破砕・選別加工事業を行う豊通ソーテック株式会社を設立した。
市中から集荷したアルミサッシスクラップを原料に、破砕・選別⼯程によってビスなどの鉄やその他の⾦属、⽊屑やプラスチックなどの非金属といった異物を除去し、リサイクルアルミ原料に加⼯。加⼯された原料は、建材メーカーなどに供給され、サッシtoサッシの水平リサイクル需要に応えるほか、将来的には自動車など他用途での活用も視野に入れているという。
工場の稼働は2025年8月を予定。高品質なリサイクルアルミニウム原料の供給を通じた、CE・CNの実現、そして豊かな社会づくりへの貢献を目指している。
世界では需要の高まりとともに、様々な資源の調達・処理過程での環境への影響や将来的な資源の枯渇、それに伴う資源獲得競争の激化が起きることも懸念されている。
資源のリサイクル推進が急がれる中で「Making Good Loops」を共通言語に、現在取り扱っている金属資源のみならず多様なマテリアルの循環と「めぐる社会」の実現を試みる豊通マテリアルは、資源循環のトップランナーとして業界を牽引していく存在となるはずだ。
2024年12月31日/2025年1月7日号(12月24日発売)は「ISSUES 2025」特集。トランプ2.0/AI/中東&ウクライナ戦争/米経済/中国経済…[PLUS]WHO’S NEXT――2025年の世界を読む
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