最新記事
SDGsパートナー

廃棄される「鱧(ハモ)の皮」からコラーゲンを抽出...再春館製薬所「ドモホルンリンクル」は驚くほどサステナブル

2024年11月29日(金)16時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

newsweekjp20241128033802-3135992a428a9fced34becaa8848fa0b8f9b24f1.jpg

鱧コラーゲンの研究・開発に携わる鴛海氏

海洋性微生物と掛け合わせて、さらにサステナブルな原料へ

最良の原料である鱧に到達したのが2007年。以来、製品ごとに分子構造を使い分けるなど素材の働きを深める研究を続けてきたが、創業50年を機に、鱧コラーゲンに新たな技術や知見を取り入れた世界初(*3)の次世代コラーゲンとして「発酵マルチプルコラーゲン(*4)」を開発した。

このコラーゲンは、鱧と、海洋の単細胞生物「ラビリンチュラ」の発酵の力を掛け合わせて生み出されたもの。

ラビリンチュラは培養することで永続的に発酵源(酵素源)として確保することができるため、酵素を得るためにいたずらに資源を採取する必要も、資源量に影響を与える心配もないサステナブルな素材だ。

「ラビリンチュラの発酵により、鱧コラーゲン抽出後の部位を含めた、良質なコラーゲン素材である皮のすべてを余すことなく活用することができます。安心とサステナブルを兼ね備えた、次世代の機能性コラーゲンとなり得る素材だと考えています」と、鴛海氏は語る。

ラビリンチュラには多くの種類が存在しており、その中から最適なものを見つけるには苦心したという。2017年から探索を開始し、607種類を試験。2021年に1種に厳選することができ、2023年に原料化に至った。

発酵マルチプルコラーゲンは、今年10月1日から数量限定で販売された「マルチプルクリームマスク」にいち早く導入されている。そして、同成分をドモホルンリンクルブランド最高峰の製品「クリーム20(*5)」にも配合し、来年1月8日に発売する。

ただ自然由来の原料を用いるだけでなく、廃棄されるものを活用し、資源を無駄にしないよう工夫を施した上で、顧客が安心できる満足度の高い原料を追究する。こうした取り組みをリーディングカンパニーが積極的に行うことで、業界内にもポジティブな影響が広がっていくだろう。

[注]
(*1)TPCマーケティングリサーチ株式会社調べ。 日本通信販売協会正会員社対象
(*2)配合目的:保湿・肌にハリを与える・肌をなめらかにする
(*3)INCI(International Nomenclature of Cosmetic Ingredients 化粧品原料国際命名法)に新規登録された成分「オーランチオキトリウムリマシヌム/コラーゲン発酵液(医薬部外品表示名称:発酵コラーゲンオリゴペプチド)」として
(*4)発酵コラーゲンオリゴペプチド(配合目的:保湿・肌にハリを与える)
(*5)クリーム20[医薬部外品]販売名:ドモホルンリンクル 薬用クリームc」

20241203issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年12月3日号(11月26日発売)は「老けない食べ方の科学」特集。脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす最新の食事法。[PLUS]和田秀樹医師に聞く最強の食べ方

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏消費者物価指数、11月速報値は前年比+2.

ビジネス

ECB、危機時の担保枠組み終了

ワールド

北朝鮮眺めつつラテ楽しむ、韓国で軍事境界線近くにス

ワールド

イランと英仏独の核協議、厳しいものに 中ロに報告へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    BMI改善も可能? リンゴ酢の潜在力を示す研究結果
  • 2
    エスカレートする核トーク、米主要都市に落ちた場合の被害規模は想像を絶する
  • 3
    「時間制限食(TRE)」で脂肪はラクに落ちる...血糖値改善の可能性も【最新研究】
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式ト…
  • 6
    ペットの犬がヒョウに襲われ...監視カメラが記録した…
  • 7
    ウクライナ前線での試験運用にも成功、戦争を変える…
  • 8
    バルト海の海底ケーブル切断は中国船の破壊工作か
  • 9
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 10
    谷間が丸出し、下は穿かず? 母になったヘイリー・ビ…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳からでも間に合う【最新研究】
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 6
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 7
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 8
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式ト…
  • 9
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 10
    BMI改善も可能? リンゴ酢の潜在力を示す研究結果
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中