AIやクラウドの拡大でデータセンターの電力需要が拡大...再エネ導入遅く、化石燃料の使用急増へ
S&Pは、データセンターが30年までに米国の天然ガス需要を日量30億─60億立方フィート上乗せすると予想している。
クリーンエネルギー関連のコンサルティングを手がけるRMIは、そうした動きは米国の排出量削減の成果を場合によっては数十年にわたって悪化させると警告する。
トランプ次期米大統領の政権移行チームに近い複数の関係者は、同氏が掲げる電力システム強化計画では再生可能エネルギーよりも天然ガス開発が優先される公算が大きいと語った。
<石炭も必要>
欧州の一部では、データセンター向け電力に石炭が求められている。
ポーランドの場合、新たなデータセンター設立計画が相次ぐ一方、再生可能エネルギー生産量が依然として少ないため、少なくともその電力需要の一部は石炭などのベースロード電源で充当する必要があるとされる。
国際エネルギー機関(IEA)によると、ポーランドの電源構成に占める石炭の比率は低下傾向にあるものの、昨年時点でも60%を超えている。
ドイツでマイクロソフトが今年発表したのは、ハンバッハ炭鉱近くで32億ユーロ(33億8000万ドル)を投じてデータセンターを拡張する計画だ。
マイクロソフトはこの計画が石炭に依存しているどうかについて言及を控えた。広報担当者は「まだ計画の初期段階というのがコメントしない理由だ」と述べた。
マレーシアでも政府高官によると、幾つかのデータセンターが割高な再生可能エネルギーの代わりに、石炭・ガス火力発電が主流の送電網を利用している。この高官は、今年入札に掛けたグリーン電力の50%弱しか実際に購入されていないと明かした。
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