AIやクラウドの拡大でデータセンターの電力需要が拡大...再エネ導入遅く、化石燃料の使用急増へ
<答えはガス>
米バージニア州北部は世界屈指のデータセンター集積地帯で、地元の電力会社ドミニオン・エナジーがたどり着いた対応策はガスだ。
ドミニオンは現在、チェスターフィールド郡に1000メガワット(MW)規模の天然ガス発電所を建設中。向こう15年で設定した電源構成における再生可能エネルギーの目標比率を最近になって95%から80%に引き下げている。
広報担当者は「全体として当社のサービス地域での電力需要は未曾有のペースで伸び続けている」と述べた。
ロイターが直近の決算説明を調べたところでは、他の幾つかの米電力会社は化石燃料使用発電所の操業を維持した上で、新規建設にも乗り出している。
例えばエンタジーは過去50年で初めて天然ガス火力発電所の建設に着手した。754MW規模の発電所は、ミシシッピ州にアマゾンが立ち上げる2カ所のデータセンターに電力を供給する。
またニソースが29年までに計画している新規設備投資額193億ドルの半分近くは、天然ガス火力発電システムの改善に充当され、インディアナ、オハイオ、バージニア各州で急速に広がるデータセンター市場に対応する。
トータス・キャピタルのシニア・ポートフォリオマネジャー、ロブ・サメル氏は、データセンターにとって天然ガスは明快な回答だと指摘。「最も低コストで、最も信頼度は高く、石炭からの転換という面では脱炭素化になっている。完璧な解決策かと言えばノーだが、これらのデータセンターの電力を完全に賄える方法が果たしてあるのかどうかは分からない」と述べた。