長く大切に使うことが、最良の環境対策...サステナブランド「ecuvo,」の信念
「永久定番」をモットーに
「ecuvo,」には、手袋や靴下、帽子、Tシャツなど多様な商品が揃い、それらには3つの特徴ある。1つ目は100%再生エネルギーの施設での生産、2つ目はオーガニックや再生素材の使用による環境負荷の軽減。3つ目が長く使える商品作りへの徹底したこだわりだ。
「商品を長く大切に使ってもらうことがサステナブルにつながるという考えから、永久修理保証や片手片足販売などを行っています。また、永久定番をモットーに、何十年も着続けられる製品を提案しているのも大きな特徴です。これまでは新作デザインを発表するたびに旧作を廃棄していたのですが、それでは環境にも人にやさしくありませんからね」(福﨑氏)
片手片足販売は、「片方なくした」「片方だけ破れた」場合に対応するためのサービスだが、障害のある顧客からも「片方だけ購入できるのはありがたい」という言葉が届いている。
これらの取り組みは国内外で高く評価されており、製品を発表してすぐにニューヨーク・ソーホー地区のブティック「180 The Store」での販売が決定した。また2020年度の「OMOTENASHI Selection」では特別賞「欧米選定員賞」を受賞し、2022年には「ソーシャルプロダクツ・アワード」のソーシャルプロダクツ賞にも輝いている。
さらに、フクシンは環境と社会への貢献を重視しており、その一環としてフィリピン・セブ島の直営工場ではシングルマザーの積極採用を推進。「たくさんの笑顔を紡ぐ」という企業理念を実現する場にもなっている。
中小製造業が環境対策に取り組むには、省エネ設備導入や工場のスマート化といったコスト負担が大きなハードルとなる。しかし、カーボンニュートラルの実現が求められる今、こうした環境と社会への取り組みがブランドイメージの向上を支え、結果的に競争力や企業の持続的な成長にもつながるだろう。
日本が温室効果ガス実質ゼロを達成し、中小製造業が新たなステージを目指すためにも、フクシンのような「地球にやさしいものづくり」が多くの製造現場に広がることが期待される。
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