「地域と共に未来へ」星野リゾート 西表島ホテルが挑むピーチパインによるエコツーリズムの実践
島全体でパートナーシップ「エコツーリズムサイクル」の構築を目指す
これらの取り組みにおいて、同ホテルが最も大切にしているのは「ホテル単体ではなく、島全体でのパートナーシップを通してエコツーリズムサイクルを創り上げること」だ。
「西表島は、様々なステークホルダーが関わりあうことで成り立っている島であり、島の本当の価値を伝えるには特産品の生産者をはじめとする地域の人々と、宿泊客が直接繋がる必要があります。そのため、それぞれの取り組みを実施するにあたっては、地域の人々と宿泊客を繋げる工夫をしています」と、星野リゾート 西表島ホテル 総支配人の細川正孝氏は語る。
例えば、「春のピーチパイン祭り」では、生産者から直接ピーチパインのおいしさの秘密を聞き、実際に味わうことで、宿泊客の満足度が向上している。さらに、地域の農家組合と協働することで、より多くの農家が関わることとなり、地域への経済波及効果が拡大。島の魅力としてピーチパインを発信することにも繋がっている。
「島全体でのパートナーシップによりエコツーリズムのサイクルを構築し、西表島ホテルでの滞在を通して観光旅行者をサイクルに巻き込んでいくことが、西表島の本質的な価値を伝え、観光旅行者の体験価値を上げるとともに、島に経済的な循環をもたらすと考えています」と細川氏は話す。
自治体や旅行会社を中心にエコツーリズムに取り組む事例は日本各地で見られるが、宿泊事業者主体としての取り組みは星野リゾート 西表島ホテルが先駆的な事例といえる。同様の環境課題を持つ世界各地の観光地にとって、良いモデルケースとなるのではないだろうか。
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