【SDGsホンネ座談会】「サステナビリティレポートはこんな風に読んでいます」...採用担当が知るべき「就活生注目のポイント」
写真左上から時計回りに、慶應義塾大学の総合政策学部3年の児玉英里さん、環境情報学部4年の藤田光燿さん、同学部4年の宮沢桜太朗さん、通信教育課程 経済学部3年の鈴木日和子さん
最近の就活生はSDGsを判断材料の1つにしているとも言われるが、実際のところ、どうなのか? 10代や20代の若者にとって、「SDGs」「サステナブル」「エシカル」といった概念はすでに身近なものとなっている。
若者たちの「ホンネ」に迫るため、地球温暖化や気候変動の問題を研究する慶應義塾大学の蟹江憲史研究室の学生たちを中心に集め、座談会を開催した(本記事は座談会中編)。
──皆さんは大学3、4年生なので真剣に進路を考える時期だと思いますが、企業がどの程度SDGsに取り組んでいるかは、就職先として候補に上げる判断材料になるのでしょうか?
鈴木日和子さん(以下、鈴木):まだ本格的な就職活動はしていませんが、やはりサステナビリティは重視していますね。私は、学外で環境・社会問題に取り組むZ世代のプラットフォーム「NAMIMATI(なみまち)」の学生代表として活動していて、その中でいろんな企業の方と関わる機会が多いです。
SDGsに対して向上心を持って取り組まれている社員の方と話すと、「私もこういう風に働けたらいいな」と感じます。サステナビリティレポートのほか、企業理念もよく見ますね。私にとって、「人の思い」が就職先企業を選ぶ大きな要素なんだろうなと分析しています。
児玉英里さん(以下、児玉):私自身がサステナブルなコスメの製造・販売をする企業「Rulie(ルリー)」を設立したので、経済合理性の追求も大事であると理解する一方で、サステナビリティの意識が全くない企業は選ばないだろうなと思いますね。
サステナビリティレポートを見るのに加えて、現場の社員の方がどういった意識で取り組んでいるかを知ることが重要だと思っています。会社の方針として一応やる、という受け身的な姿勢なのか、ポジティブな姿勢で取り組んでいるのか...OG・OB訪問や人とのつながりを活用して、直接話を聞いたりしています。
藤田光燿さん(以下、藤田):僕は「サステナビリティに関わる仕事をすること」を自分の軸として持っており、つい先日、就職活動を終えました。主に受けていたのは、サステナビリティの部署があるシンクタンク(政策立案・政策提言を行う研究機関)やメーカーです。総合職ではなく、サステナビリティの専門職にこだわりました。
サステナビリティレポートはもちろん読みますが、開示していない情報ももちろんあるわけで、本質的なことはわかりません。なので、面接の最後で「何か質問はありますか?」と聞かれる時間をフルに活用しました。その部署の方が出てきてくれる、またとない機会なので、質問しない手はないと思います。
宮沢桜太朗さん(以下、宮沢):僕もすでに就活を終えましたが、結局2社しか受けませんでした。僕は正直、ホームページを見ただけでは(SDGs関連の取り組みについて)深く理解できなかったので、インターンをすることにより長期的なスパンで決断したという感じです。実際に一緒に働いてみて、社員の方が本気でサステナビリティに取り組んでいることがわかったので、実践してよかったと思います。