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事業変革

日本の大人は「学ばない」?...リスキリング事業の拡大が示すベネッセの「変革」

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2024年3月26日(火)10時00分
文:酒井理恵

育て家庭への支援から介護事業まで

子育て家庭への支援や介護事業も90年代から展開するが、2023年の「変革事業計画」を期に時代に合わせた進化を加速させていく

教育・介護でも新たな価値創造へ

子どもの未来を見据えた学習支援はベネッセの主要事業だが、ベネッセが本質的に目指すのは各ライフステージの「人」を取り巻く社会課題解決への貢献だ。そのために、乳幼児やその親への支援となる出産・育児情報の提供から、シニアを対象とした介護サービスまで、幅広い事業に取り組んでいる。

その根底にあるのは、企業理念「Benesse=『よく生きる』」。ルーツはラテン語にあり、「"志"をもって、夢や理想の実現に向けて一歩一歩近づいていく、そのプロセスをも楽しむ生き方」を指す。30年以上前から不変のこの哲学は、SDGsが目指す方向とも一致するものだ。

とはいえ変化が激しい時代、顧客ニーズと社会課題は常に捉え直す必要がある。例えば、教育現場では支援や配慮を必要とする児童に反比例するように教師の数が不足している。同じく人材不足が深刻な介護現場では、一人ひとり異なる身体状態やニーズに対応できるスペシャリスト育成が急務だ。

これらの課題に対応して、ベネッセは子どもの発達特性に合わせたICT学習サービス「まるぐランド」、介護の匠のノウハウを活かすAIソリューションで高齢者の QОL向上に寄与する「マジ神AI」を開発した。

今までの延長線ではなく、新たな価値創造への挑戦として、2023年には「変革事業計画」を策定。その中で公表した新たなグループパーパス「誰もが一生、成長できる。自分らしく生きられる社会へ。ベネッセは目指しつづけます。」には、サステナビリティやダイバーシティ、ウェルビーイングの考え方が込められている。

ベネッセのグループパーパス

ユーデミーを中心としたリスキリング支援も、変革事業計画の中核を担う。新たなスキルを習得し、より長期的なキャリアプランを自らデザインすることは重要だが、飯田さんによると利点はそれだけではない。

「最初は自分のための努力でも、学びを通じてウェルビーイングを叶えることで、次は半径5メートル内にいる人たちの幸せを考えるようになります。例えば、『どうすれば私の残業時間を減らせるか』から、『どうすればチームのつらい状況を乗り越えられるか』へ、というように。誰もが自分らしい生き方を歩み、『ウェルビーイングのバトン』をつないでいけば、社会はもっと優しくなると信じています」

学びを通し個人からチームへウェルビーイングが広がるように。誰もが「よく生きる」世界を目指し、人の豊かさを追求するベネッセの進化は続く。

●問い合わせ先
株式会社ベネッセホールディングス
https://www.benesse-hd.co.jp/ja/

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