「空間全体ではなく人だけを冷やす」次世代ウェア「空調服」は人にも地球にも優しい省エネ設計
東日本大震災からの復興や、スカイツリーなどの建設をきっかけにその有用性が見直された
もっとも、「空調服」は、発売当初はアイデアグッズ程度の扱いだったという。当時は現在のようにハイパワーの電池ではなかったため、ファンの風量が弱く、思ったほどの涼しさが得られなかったからだ。すぐに電池切れになってしまうという苦情も少なくなかった。
しかし、2011年に発生した東日本大震災の影響で、各地で電力不足に関する懸念が起こると、限られた電力で活用できるアイテムに世間の関心が集まるようになった。「災害後の復興支援で多くの人が長期間復旧作業に従事する中、『空調服』が夏場の炎天下でも快適に過ごせる作業服として紹介されたことで、全国的な知名度を獲得していったんです」と市ヶ谷氏は語る。
「空調服」は年々機能性や省エネ性能をアップさせており、気候変動対策やエネルギーの持続可能性といったSDGsの目標にも寄与。平成29年度の「地球温暖化防止活動環境大臣表彰」も受賞したほどだ。
言うまでもなく、地球温暖化防止は世界共通の課題である。「空調服」をはじめとする同社の製品が世界中に行き渡れば、地球環境保護に大きな貢献を果たすはずだ。
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