最新記事
日本企業

アイリスオーヤマ、約25億円を投じ国内工場で約6800トンのCO2排出削減へ

2023年7月7日(金)17時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
アイリスオーヤマ

富士小山工場(静岡県) 写真提供:アイリスオーヤマ

<パックご飯も炊飯器も売る総合メーカー、アイリスオーヤマは海外にグループ企業16社を持つグローバル企業でもある。脱炭素も推進する同社はこのたび、CO2排出量をさらに削減する発表を行った>

パックご飯も、炊飯器も、売る。それがアイリスオーヤマだ。仙台市に本拠を置き、収納ケースからマスク、水、LED電球、テレビ、洗濯機まで、生活雑貨や家電を独自に企画開発し、手頃な価格で売ることを得意とする総合メーカーである。

グループ企業は国内だけで14社。海外にも16社を持ち、「世界の工場」中国に複数の生産拠点を構えるだけでなく、ヨーロッパやアメリカ、東南アジアでも事業展開。国内同様に、現地で消費者目線(同社は「ユーザーイン発想」と呼ぶ)の商品づくりを行ってきた。グループ総売上高は7900億円(2023年1月)に及ぶ。

当然、グローバル企業として、いま世界の潮流であるSDGsとも無縁ではない。東日本大震災の被災地で農業の復興支援に携わるほか、照明の省エネルギー化や建築内装事業を通じたCO2削減を目指した商品開発・事業展開なども行ってきた。

4月にはCO2排出量のさらなる削減のため、国内9工場に太陽光パネルを設置することを発表した。同社は近年、国内製造強化のための設備投資を積極的に行っており、その一環として約25億円を投入する。総面積約7万3000平方メートルの太陽光パネルを、2024年2月までに順次設置していく計画だ。

sdgsbiz202307iris_2.jpg

富士小山工場(静岡県)に設置された太陽光発電パネル 写真提供:アイリスオーヤマ

太陽光発電が導入されるのは、宮城県の角田工場、大河原工場、福島県の南相馬工場、茨城県のつくば工場、埼玉県の埼玉工場、静岡県の富士小山工場などで、アイリスオーヤマの国内10工場のほぼ全てとなる。

これにより年間1万5000メガワット時の発電量となり、対象となる9工場の消費電力(年間)の約18%を賄う。

「CO2排出削減量は年間約6800トンを見込んでおり、カーボンニュートラルの推進に貢献します」と同社。昨今の電気代高騰への対策ともなり、一挙両得の脱炭素経営とも言えそうだ。

sdgsaward_lp_bnr500.bmp

20241126issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシアがICBM発射、ウクライナ発表 初の実戦使用

ワールド

国際刑事裁判所、イスラエル首相らに逮捕状 戦争犯罪

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部の民家空爆 犠牲者多数

ビジネス

米国は以前よりインフレに脆弱=リッチモンド連銀総裁
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 2
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 5
    「ワークライフバランス不要論」で炎上...若手起業家…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    習近平を側近がカメラから守った瞬間──英スターマー…
  • 8
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 9
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 10
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
  • 4
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
  • 7
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 8
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶり…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中