最新記事
健康

「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡眠の「正しい関係」【最新研究】

Coffee and Sleep: How Late Is Too Late for Your Last Cup?

2025年4月3日(木)08時15分
ルーシー・ノタラントニオ

また、カフェインは睡眠を削ぐだけでなく、睡眠の質を低下させる可能性も研究で示唆された。これには筋肉の回復を含む複数の機能に不可欠な深い睡眠への影響を与えることも含まれる。


 

朝のコーヒーは健康にもメリット?

しかし、朝にコーヒーを飲むことは、睡眠だけでなく健康全般にも好影響をもたらす可能性がある。アメリカの複数の大学による研究では、コーヒーの摂取習慣が心臓の健康や寿命にどのように関係するかを分析している。

1999年から2018年までの「アメリカ国民健康・栄養調査(NHANES)」に参加した4万人以上のデータを調査した結果、以下の2つのパターンが浮かび上がった。

• 参加者の36%が主に朝にコーヒーを飲んでいる
• 参加者の14%は一日中コーヒーを飲んでいる

10年近く追跡調査し、心臓病やがんを含むすべての死因を分析した結果、コーヒーを飲まない人に比べ、主に朝にコーヒーを飲む人は、あらゆる原因による死亡と心臓病による死亡のリスクが低いことが判明。

一方で一日中コーヒーを飲んでいても、同じ予防効果は得られなかった。しかし、興味深いことに朝のコーヒーの摂取量が多いほど、死亡リスクが低いという結果となったのだ。

カフェインの半減期と個人差

カフェインの代謝には個人差があり、その半減期(体内でカフェイン濃度が半分になる時間)は5〜6時間とされている。

「午後3時にコーヒーを飲んだ場合、夜8〜9時になっても体内に半分が残っている可能性があります。これは遺伝要因にも左右され、人によってカフェインの代謝速度が異なっています」とベナビデス医師は語る。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏とゼレンスキー氏が「非常に生産的な」協議

ワールド

ローマ教皇の葬儀、20万人が最後の別れ トランプ氏

ビジネス

豊田織機が非上場化を検討、トヨタやグループ企業が出

ビジネス

日産、武漢工場の生産25年度中にも終了 中国事業の
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口の中」を公開した女性、命を救ったものとは?
  • 3
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 4
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 5
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 8
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    日本では起こりえなかった「交渉の決裂」...言葉に宿…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 8
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中