最新記事
DNA

特定の遺伝子のコピー数が多い人に「新たな虫歯リスク」がある...「意外な物質」の脅威とは?【最新研究】

Dental Warning As New Cavity-Causing Food Type Revealed

2025年3月24日(月)09時30分
イアン・ランドル(科学担当)
歯とDNA

HstrongART-shutterstock

<歯磨きにも気を付けたほうがいいのは、砂糖の摂取後だけではなかった...>

特定の遺伝子のコピー数が多い人は、砂糖同様にデンプンの摂取で虫歯を引き起こす可能性があることが最新研究で明らかになった。

アメリカのコーネル大学の研究チームが口腔内の微生物群(microbial communities)がデンプンを分解するのを助ける酵素「アミラーゼ」をコードする「ヒト唾液アミラーゼ遺伝子(AMY1)」に対して、どう反応するかを分析した。


 

本研究の執筆者で分子栄養学が専門のアンジェラ・プール教授は次のように本誌に述べた。

「私たちは、砂糖を多く摂取した後は必ず歯を磨くように注意されてきました。しかし、ヒト唾液アミラーゼ遺伝子(AMY1)のコピー数にもよりますが、消化のよいデンプンを摂取後の歯磨きにも気を付けたほうがいいことが本研究から得られた知見です。焼き菓子を含む、多くの食品に含まれています」

消化のよいデンプンは、トウモロコシ、米、豆、ジャガイモなどにも含まれているという。しかし、「ヒト唾液アミラーゼ遺伝子(AMY1)のコピー数を調べるには、実験器具や試薬が必要で、自宅で気軽にできるものではありません」とプール教授が述べるように、自身のヒト唾液アミラーゼ遺伝子(AMY1)のコピー数を知るのは容易ではないという。

先行研究では、ヒト唾液アミラーゼ遺伝子(AMY1)のコピー数が多いと虫歯や歯周病のリスクが高まることが示されていた。また、歯の神経にかかわる感染根管を引き起こす可能性があるポルフィロモナス・エンドドンタリス(Porphyromonas endodontalis)など口腔内の細菌が増加する傾向があるという。

お知らせ
【3/26、3/29開催】編集部に感想・提案をお寄せください(オンライン読者交流会)
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー氏「黒海・エネルギー停戦即時発効」、ロ

ワールド

ゼレンスキー氏「黒海・エネルギー停戦即時発効」、ロ

ビジネス

米CB消費者信頼感3月は4年ぶり低水準、関税懸念の

ワールド

ロシア、黒海の安全な航行確保で合意 制裁解除などが
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取締役会はマスクCEOを辞めさせろ」
  • 4
    「トランプが変えた世界」を30年前に描いていた...あ…
  • 5
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 6
    トランプ批判で入国拒否も?...米空港で広がる「スマ…
  • 7
    「悪循環」中国の飲食店に大倒産時代が到来...デフレ…
  • 8
    【クイズ】アメリカで「ネズミが大量発生している」…
  • 9
    老化を遅らせる食事法...細胞を大掃除する「断続的フ…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 5
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 6
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 10
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中