DEFENDERの日本縦断旅がついに最終章! 本土最南端へ──歴史と絶景が織りなす5日間
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その後、DEFENDERは一路、長崎県佐世保市へ。かつて日本海軍の軍港として栄えたこの街は、現代では歴史的建造物と米海軍基地が共存する独特の景観が広がる。造船所のドック、レンガ造りの建物群、巨大なクレーン。入り組んだ海岸線に沿って走るDEFENDERの車窓からは、この地の重層的な歴史が垣間見える。近代日本の産業史を物語る工業遺産と、現役の軍港が共存するこの街は、まさに「生きた歴史博物館」とも言える特別な場所だ。
最初に向かったのは、「九十九島(くじゅうくしま)」の息を呑むような景色を一望できる船越展望所である。
実際には208の島々から成るこの景観は、「数えきれないほど多い」という意味を込めて九十九島と称され、日本有数の多島美を誇る。
続いて訪れた九十九島観光公園では、2021年に整備された約4.7ヘクタールの広大な芝生広場から、さらに異なる角度で島々の絶景が待ち構えていた。穏やかな冬の日差しに輝く無数の島々は、まるで水彩画のような優美な風景を描き出していた。
昼食は、佐世保の独自文化として発展した佐世保バーガーを求めて、1979年創業の老舗「佐世保バーガーミュージアム」へ。
佐世保バーガーは、戦後、米海軍基地の所在地として発展した街だからこそ生まれた一品。当初は基地内の軍人たちに親しまれていたハンバーガーが、地元の味覚に合わせてアレンジされ、やがて市民の日常食として定着。手づくりにこだわった分厚いパテ、地元の新鮮な野菜、特製ソースを使用する独自のスタイルを確立し、佐世保を代表する食文化へと成長を遂げた。まさに佐世保の歴史そのものとも言える。
2010年には九州グルメグランプリ2位に輝いた実力店の味は、ふんわりとしたバンズと肉汁あふれるパテのハーモニーが絶妙。40年以上にわたって育まれてきた確かな味わいは、この地の歴史と文化を雄弁に物語っていた。
佐世保バーガーミュージアム
長崎県佐世保市船越町190-1
Tel:0956-28-5533
午後からは、一気に約110km南下し、標高約700mに位置する雲仙温泉を目指す。西九州自動車道、九州横断自動車道、長崎自動車道と高速道路網を駆け抜けるDEFENDERは、本格クロスオーバーSUVとは思えないほどの快適な走りを披露。
さらに、雲仙温泉へと続く全長9.2kmの雲仙ドラゴンロードでは、まるでレールの上を走るかのような安定感で連続するヘアピンカーブをクリアしていく。高低差約500mを優美な曲線を描いて登るこのルートは、DEFENDERとの一体感のある走りを堪能できる醍醐味に満ちていた。