寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
Small Changes to Live Longer
50歳を過ぎてからでも寿命を延ばすことは可能だと語るカサス ANA CASAS
<長生きするために男性が始めるべき、シンプルでお金のかからない健康法とは>
ある秋の爽やかな日、米ジョージア州アトランタにある私の診察室に、60歳になったばかりのトムがやって来た。仕事では成功を収めていたが、最近は体力と活力が目に見えて低下し、もはや人生のピークを過ぎて老いるだけなのかと不安を抱いていた。
私は約20年にわたり男性のアンチエイジングと再生医療の専門医をしてきた経験から、3つのシンプルな習慣をつくれば、老化の道のりを変えられることを知っている。今からでも寿命を延ばし、残りの人生の質を高められるのだ。
■規則的な睡眠
まずは睡眠。研究によると、毎日ぐっすり眠る男性は、そうでない男性よりも平均4.7年、そして睡眠不足の女性よりも2年長生きする。
55歳のデーブは、企業の経営幹部だったが、疲労感や絶望感、ストレスを覚えて私のクリニックにやって来た。話を聞くと、時差がある場所への出張が毎週あり、夜遅くまで残業する日も多かった。
そこで就寝時間と起床時間を決めて、毎日最低7〜8時間の睡眠時間を確保するようアドバイスすると、デーブはそれを平日だけでなく、週末も出張中も実践した。
効果は絶大だった。数週間もすると、デーブは全身にエネルギーがみなぎり、気分が明るくなり、集中力も増した。仕事でもプライベートでもストレスが減り、生活の質が大幅に高まったのだ。