【中学・高校受験】理解力と記憶力が爆上がり! ハーバード大が証明した「手書き」の効果
(写真はイメージです)milatas-shutterstock
<パソコンやタブレットを使った学習が一般化される今、「手書き」の効果が見直されている>
熾烈な受験戦争を勝ち抜くために、一度勉強したことを忘れずに知識として蓄積していく「記憶力」が大きな武器となることは、誰にとっても自明だろう。
知識を記憶に定着させるためには、ものごとのより深い理解が重要なわけだが、そのために「手で書く」ことがいかに有効であるかが、ハーバード大学の実験によって証明された。さらに「手で書く」ことに加え、あるポイントに着目すると、頭の中でよりロジカルに物事が整理され、体系的に記憶することが可能になることがわかった。
今回は韓国でロングセラーとなり、日本でも発売わずか2ヶ月で4刷の重版を重ねている『作文宿題が30分で書ける! 秘密のハーバード作文』(CCCメディアハウス)から、ライティング・コーチのソン・スッキ氏の解説を抜粋して紹介する。
※本書からの抜粋第1回:【中学・高校受験】「4行でまとめろ」ハーバードで150年伝わる作文力を一気に底上げするスキル
※本書からの抜粋第2回:【中学・高校受験】「わかった気になる」オンライン学習の落とし穴...効率よく弱点を埋める勉強法
作文は手で書くと上達する
みなさんの中には、パソコンやスマートフォン、タブレットの操作が得意な人もいることでしょう。「ハーバード大生みたいな1日10分ライティング」の毎日の練習も、そうしたデジタルデバイスを使って書きたいと思うかもしれません。
ですが、ちょっと待って! この10分ライティングはぜひ、手書きで行ってほしいのです。ノートに手で書くことが、脳の活動を活発にするという研究結果があるからです。これを支持する面白い実験があります。
アメリカのインディアナ大学で心理学を教えているカリン・ジェームズ教授が、手書きで文字を書くことについて次のような実験をしました。まだ読み書きがあやふやな小さな子どもたちに、文字が書かれたカードを見せ、「紙に手で書かせる」「点線で描かれたりんかくをなぞらせる」「コンピュータにタイピングさせる」という3つの方法で、カードと同じように書いてもらったときの脳がそれぞれどれくらい活発になるのかを調べました。
その結果、紙に直接手書きした子どもたちの脳には、大人が読み書きするときと同じ部分が活発になる反応が見られたのです。
一方、ほかの2つの方法には、そうした反応はごくわずかであったり、見られなかったということです。こうしたことから、ジェームズ教授は、手で文字を書くことが子どもの脳を発達させるという結論を出しました。
作文を手書きする場合は、漢字や送りがななどの言葉の成り立ちや、文字のバランスまで考えています。こうしたことまで気を配るため、手書きのほうがはるかに脳が鍛えられるというわけです。