起業家や芸術家ら超一流から「成功の秘訣」を聞き出すための、12の「正しい質問」
アパトーが録音したインタビューの多くは、いっさい放送されることがなかった。それもそのはず、彼はラジオ番組をつくる気など毛頭なかったのだ。
高校を卒業する頃には、アパトーは自身が「ブループリント」「バイブル」と呼ぶジョークのネタ帳を完成させ、自分のスタイルを磨いて、キャリアを築いていくための材料をしっかりと集めていた。
成功者にインタビューするのは、次に紹介する「正しい質問内容」を用意すれば、その成功の秘訣を探る効果的な戦略となり得る。ラジオ局のDJのふりをする必要もない。ブログやポッドキャストがこれほど急成長している今の世の中であれば、専門家と話をするのもさほど難しくないだろう。
成功の秘訣を探る効果的な3つの質問
専門家と話をするときは、3つのカテゴリーで質問を考えるといい。
それは「道のりの質問」「プロセスの質問」「発見の質問」である。
<道のりの質問>
「道のりの質問」は、2つの目標を達成するようにつくり上げる。専門家の成功への道のりを掘り起こすことと、新人の頃の経験を思い出してもらうことだ。何も知らないところから、今の地位に辿り着いた専門家の軌跡がわかれば、自分もその道を辿るためのヒントが得られる可能性が高い。専門家に、その道に入った当時のことを振り返ってもらうと、当時の考え方を思い出しやすくなるので、より有益な助言がもらいやすくなる。
専門家に道のりを尋ねる場合、次のような質問ができるだろう。
・誰(の作品)を読んで、見て、研究して、仕事を学びましたか?
・最初の頃、どんな失敗をしましたか?
・あとで大して重要ではなかったとわかって、あんなに時間をかけなければよかったと思うことはありますか?
・これまでの教訓から、自分はどのような指標に常に注意していなければならないと思いますか?
<プロセスの質問>
「プロセスの質問」は、専門家のやり方の核心を突くものだ。仕事を成功させるために、具体的にどのようなステップを踏んでいるのかを探ることで、彼らの仕事へのアプローチを明らかにすることを目指す。この質問の答えからは、複雑な仕事の組立が明らかになるので、リバース・エンジニアリングを行ううえで特に重要である。
なお、仕事のやり方についてあまり広範な質問をぶつけても、部分的な情報しか得られないことが多いことを覚えておこう。これまで見てきたとおり、専門家の頭の中では多くのことが無意識のうちに行われていて、自分の行動に意識が向けられていない。
したがって質問は一般的すぎず、具体的すぎないようにすることが重要である。