週4日勤務でも「売り上げには影響はなかった」という研究結果
4-Day Workweek Benefits
週4勤で集中的に働けばストレスは減るかもしれない AZMAN JAKA/ISTOCK
<労働時間の短縮はストレスを軽減させ、仕事を効率化し、ワークライフバランスを改善させることがわかっていても、なかなか踏み切れない週休3日制>
週4日勤務制(週4勤)に強い追い風が吹いた。2022年6~12月、イギリスで行われた大規模なトライアルで、労使双方にメリットありという結論が出たからだ。
音頭を取ったのは非営利組織の4デイウイーク・グローバル。61の英国企業が参加し、2月半ばに結果が発表された。
対象の従業員は約2900人。総じてストレスや不安、燃え尽き感、疲労、睡眠不足のレベルが下がり、ワークライフバランスも改善したと答えた。財務状況を開示した47社では、売り上げへの影響はほとんど見られなかった。
予想どおりの結果だ、と言うのは米ペンシルベニア大学の心理学者フィリップ・ゲールマン。
働けばお金になるし、充実感もあるが、ストレスはたまるし時間を奪われ、好きなことをやれなくなる。だから労働時間の短縮でいろいろなメリットが得られるというのは「理にかなう」そうだ。
だが、この実験にはいくつか問題がある。対照群が存在せず、週5日勤務制を続けている会社と比較できるデータが示されていないのだ。
また「週4勤」といっても、その実施方法は統一されていない。金曜日を休みにした会社もあれば、1日の勤務時間を減らして5日間に分散した会社もある。業績目標を達成できなければ週5勤に戻すとした会社もある。
働く日数を減らせば締め切りがタイトになりそうだが、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の神経科学者アレックス・コーブに言わせれば、それは必ずしも悪いことではない。「目標に向けて集中できる」からだ。
「困難で大きなプロジェクトに取り組む場合、締め切りを定めていなければ、おそらくいつになっても終わらない。少しも前に進まない可能性もある」