最新記事

移民

日本が外国人に「選んでもらえない国」になった時、日本人が直面すること

2022年12月11日(日)09時09分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
外国人労働者

Rawpixel-iStock

<コンビニでたくさんの外国人が働いているのは日常的な風景となっているが、それが今後も続くとは限らない。みんながしあわせに共生できる社会とは?>

子どもは好奇心と「問いを立てる力」を持っている。しかし、学校で学ぶ知識の集積が、自分の日常に直結するという実感が薄いため、勉強に興味が持てないという面がある。

くらしから世界がわかる 13歳からのニューズウィーク』(CCCメディアハウス)は、ニューズウィーク日本版による、ニュース解説書。時事ニュースを単なる〈ファクトの羅列〉ではなく、登場人物たちや大人とお喋りしながら〈ストーリーで考える〉ことで、思考する力を養う。

「社会」「経済」「科学技術」「国際情勢」「環境問題」から20の旬なトピックを網羅する本書より、移民に関するテーマを抜粋する。

◇ ◇ ◇


みなさんも身近なコンビニや飲食店で、外国人の店員さんに接客してもらうことがあるでしょう。外国人の労働力はいまや日本の社会にとって欠かせない支えです。それでも外国からの「移民」と聞くと、どこか「遠い存在」に感じてしまいませんか。それはなぜでしょうか。

登場人物は、商店街の八百屋を切り盛りする25歳の彦、彦の親友で国語が苦手なYouTuberのタナカ、スウェーデン育ちの宇宙人でグローバル企業に勤務するジョンソン。

コンビニやレストランで外国人従業員が増えたわけ

タナカ おーい、彦、ひまか?

 おぉ、タナカ! ご覧のとおり、閑古鳥が鳴いているよ!

タナカ 鳥なんて鳴いてないじゃん。それに、ひまなくせにドヤ顔するなよ。

 いや......、閑古鳥というのはたしかに鳥のカッコウのことだけど、カッコウの鳴き声みたいにもの悲しい状態をいうんだよ。つまり、人がいなくて商売が流行っていないって意味さ。少しは国語を勉強しろよ。

ま、うちは、午前中はいつもこんな感じだね。午後からは目が回るくらい忙しいので、アルバイトを雇っているけどね。

タナカ ああ、ワンさん? あの明るくて、てきぱきとした人だね。台湾出身だってね。それにしても、10年ほど前と違って、最近ではコンビニもレストランも外国人の店員さんがずいぶん増えたよね。なんでだろうな。おっ、外国人といえば、あれは、ジョンソンじゃん?

ジョンソン 彦さん、タナカさん、こんにちは。また、おふたりで悪だくみですか?

 なんだよジョンソン、人聞きの悪い......。お客さんが来ないから話していたんだよ。で、ジョンソンさ、最近はなんで、日本で働いている外国の人が多いかわかる?


 『くらしから世界がわかる 13歳からのニューズウィーク
 栗下直也 (著)/ニューズウィーク日本版編集部 (編集)


(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

脅迫で判事を警察保護下に、ルペン氏有罪裁判 大統領

ビジネス

貿易分断で世界成長抑制とインフレ高進の恐れ=シュナ

ビジネス

テスラの中国生産車、3月販売は前年比11.5%減 

ビジネス

訂正(発表者側の申し出)-ユニクロ、3月国内既存店
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 8
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 9
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 10
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中