日本が外国人に「選んでもらえない国」になった時、日本人が直面すること
ジョンソン ああ、それは日本が移民の受け入れを増やしているからですよ。
タナカ えっ、移民? ぼくと彦がもの知らずだからって、そんなテキトーなこといって。だって、「日本は移民を受け入れてない」って偉い政治家たちがいってるよ。
ジョンソン 日本の政治家さんたちは「移民はいっさい受け入れていない」とたしかにいっています。でも、世界基準で考えると、そんなことはないんです。そもそも、おふたりは「移民」にどういうイメージをお持ちですか?
彦 移民は生まれた国以外の場所にずっと住む人でしょ?
ジョンソン その考えかたが日本では一般的ですね。でも、世界の解釈はもっと幅広いんです。たとえば国連は、「生まれた国や市民権のある国を離れて1年以上海外に住んでいる人」としています。この定義ですと、外国人留学生や、仕事の都合でよその国で何年か働いている人も当てはまります。ですから、ワタクシも移民ということになります。
彦 ええええーっ! ジョンソンって移民だったの?
ジョンソン ええ、スウェーデンのストックホルムから日本に来て3年ですから。日本に住んでいる外国人は約300万人です。これは広島県や京都府の人口より多いんですよ。先ほどの国連の定義に当てはめると、このうちの大半が「移民」ということになります。そして、これからもどんどん増えていくと思いますよ。
タナカ えっ、なんでだYO(ヨー)?
ジョンソン 少し前まで飲食店などで働いている外国人は留学生のアルバイトが多かったのです。というのも、日本はこれまで移民労働者を「働く人」として正面から受け入れるのではなく、留学生や技能実習生[※1]として受け入れてきたからです。留学生や技能実習生を働き手として活用しながら対処してきたのです。