グーグルが「圧倒的に重要」と評価 生産性の高い組織で交わされる「あいさつ」の条件
OK例
A「○○さん、おはようございます」
B「課長、おはようございます。そうだ、ちょっと聞いてくださいよ......」
挨拶だけではなく、会議などの場でも「誰か意見ある?」という投げかけの代わりに「○○さんは、どう思いますか?」と、部下の発言の「きっかけを促す言葉」として使うことも効果的でしょう。積み重ねていけば報告や相談が増え、トラブルの予防や早期発見、燃え広がる前の解決もしやすくなります。
挨拶は「若者から、目上にするもの」ではない
意外に思われるかもしれませんが、重要なのは挨拶を上司やリーダーから率先してすることです。もともと「挨拶」という言葉は禅の言葉「一挨一拶」に由来します。「挨」と「拶」にはどちらも「押す・迫る」という意味があり、師匠が弟子の修行の進み具合や状態を確認するための「問答」をすることを意味しています。
挨拶というと「目下や若者から、目上の人に挨拶する」というイメージがありますが、語源からすれば、上司・リーダーから、部下・メンバーの状態を知るために挨拶すること、そして相手の返事のトーンや反応を見て、状態を理解しようとすることが重要なんですね。目上の方から進んで挨拶できるチームこそ、「話しやすさ」が高いチームです。
皆さんも右も左もわからない新人や若手だった頃、先輩やベテランの方から「○○さん、おはよう!」とにこやかに声をかけられて、ホッとした経験はないでしょうか。もしなかったとしても、そうしてもらえていたらもっと早くチームの一員になれたのに、と思えるのではないでしょうか。
心理的安全性の4つの因子「話助挑新」のうち、土台となるのが「話しやすさ」因子です。その「話しやすさ」因子を高めるため、一番カンタンですぐに始められ、効果が大きいのが、ここで紹介した「名前をつけて挨拶」です。さっそく今日の会議や、明日の朝から、試してみましょう。
原田将嗣
プロコーチ、ZENTech シニアコンサルタント
スターツグループで営業・人事・コンプライアンス部門での経験を経て、2020年プロフェッショナルコーチとして独立。現在はZENTechシニアコンサルタントとして心理的安全性を切り口にコンプライアンス意識の浸透・ダイバーシティの醸成や、デジタルトランスフォーメーションの土台となる組織づくりを支援。「組織・チームで使う言葉」をテーマにした研修を行っている。