男女関係、セックス、摂食障害に悩む26歳の彼女の人生を救ったセラピストの3つの言葉
写真はイメージです fizkes-iStock.
<PTSD(心的外傷ストレス)と摂食障害と闘う一人の女性を救ったのは、人生のすべてをメンバーとシェアする「グループセラピー」だった。NYタイムズ・ベストセラー、米アマゾン・ベストブック・オブ・ザ・イヤー受賞の話題書が日本上陸>
シカゴにあるロースクールに通う26歳のクリスティ。テキサス州出身で両親も健在、成績優秀にもかかわらず、病的なまでの偏食と強い不安、自己嫌悪に悩まされている。
高校時代からいくつものカウンセリングを試すも、まったく効果が感じられなかったという彼女は、ある日、友人のすすめでグループセラピーを受けることになった。
他人の赤ちゃんの遺灰が手放せなくなったマーティ、オンラインゲームで遠距離恋愛中のレズビアン・ジーニア、アルコール依存症で不倫がやめられないリードなど、グループセラピーに集うのはさまざまな事情を抱えた個性的な人物ばかり。
そうした仲間と出会い、自らもボーイフレンドとの悩みやコンプレックス、性的なことまでを赤裸々に語ることで人生が好転していった様子を描く自伝的ノンフィクション『GROUP! 心がぐちゃぐちゃな私を救ったグループセラピーの記録』(クリスティ・テート著、春田純子訳、CCCメディアハウス)が、日本で発売された。
アメリカでは、女優のリース・ウィザースプーンのブッククラブに選出され、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー、米アマゾン2020年ベストブック・オブ・ザ・イヤーにも選ばれるなど、大きな話題となった一冊だ。米アマゾンには3800を超えるレビューが付き、星4.4という高い評価を得ている。
誰しも、いつ、何がきっかけでメンタル面での落ち込みが起こるかはわからない。ただし、一度落ち込んだとしても、起き上がる方法はある。
本書に登場するアインシュタイン似のユダヤ人セラピスト、ドクター・ローセンがクリスティに与えた助言の中から、ふいに人生に躓いてしまったときに役立つ言葉をピックアップした。
「あなたに必要なのは、治療ではなく目撃者です」
精神的なストレスからリンゴを毎晩3~6個、多い日は8個も食べてしまうクリスティ。この異常な摂食行動を直したいという彼女に、ドクター・ローセンは、夜に食べたものをグループセラピー仲間のローリーに毎日電話で報告することを提案する。
「食べたいだけ食べなさい。人はリンゴでは死にません。でも秘密では死にます。(中略)あなたに治療は必要ありません。必要なのは目撃者です」
アメリカでは心理カウンセリングが日本よりも一般的に行われているが、カウンセリングやセラピーの内容を他言しない守秘義務があるのが普通だ。
しかし、クリスティの食生活の問題と人間関係の問題の原因は同じだと見抜いたドクター・ローセンは、秘密を他者と共有することこそが、クリスティの問題を解決するカギになると指摘した。
メンタル面の異常には、薬でも治療でもなく、秘密のない親密な人間関係がもたらす絶対的な安心感こそが必要なのだ。
日本ではグループセラピーに参加できる機会は少ないが、人間関係やメンタルの落ち込みに悩む人は、日常の中で「秘密を持たない関係の構築」を意識してみてはどうだろう。
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