最新記事

0歳からの教育

アーティストで2児の母、草野絵美が『0歳からの教育』に感じた大きな違い

2022年2月10日(木)16時15分
岡田光津子(ライター)
『0歳からの教育2022』

ニューズウィーク日本版SPECIAL ISSUE『0歳からの教育2022』より

<東京藝術大学非常勤講師を務め、長男のNFTアートでも話題の草野絵美。人気シリーズ『0歳からの教育』の最新版は「しっかりしたエビデンスに基づいた記事」により、大切なことが伝わりやすい本だと言う>

アーティストとして活動する傍ら、東京藝術大学非常勤講師も務める草野絵美さん。2012年11月に長男、2021年3月に次男を出産した2児の母でもある。現在、子育て本『知的好奇心のアンテナを伸ばす ネオ子育て(仮)』を執筆中だ(CCCメディアハウスより、3月に刊行予定)。

ニューズウィーク日本版ではこのたび、SPECIAL ISSUE『0歳からの教育2022』を刊行。その都度、新しい研究成果などを採り入れながら、25年以上も前から出版され続けてきた人気シリーズの最新刊だ。

実は草野さん、長男の出産後に『0歳からの教育2013年版』を手に取っている。それから9年がたち、新たに『0歳からの教育2022』(以下、2022年版)を読んでみて、どう思ったのだろう。

以前とは大きな違いを感じた――という草野さんに話を聞いた。特に目を引いたのは、次の部分だったという。

「『ジェンダーの型にとらわれないため』の項目(30ページ)は非常に興味深かったです。私自身、男の子だからこう、女の子だからこうというパターン化をできるだけなくしていきたいと思っています。3、4歳になると、自然と性差に興味を持つようになり、『僕は男の子だから青。ピンクは女の子の色』などのパターン認識を始めるので、『好きなほうでいいんだよ』などと意識的に声掛けをしています」

例えば、子ども同士のやり取りの中で、「僕はピンクが好き!」と言った時に「ピンクは女の子の色だからおかしいよ」と言われたり、言ってしまったりして、その子が二度とピンク色を着れなくなることもある。

心の傷をつくることにもつながるので、ジェンダーの型にとらわれないことは大切だと伝えていくことが非常に重要だと草野さんは考えている。

また、2022年版は愛情表現やスキンシップ、個性を大切にするなどといった内容が増えている印象もあったという。

草野さんも自身の子育てにおいて、早期教育やIQを高めるといった子育てよりも、愛情やスキンシップや個性を大切にした子育てのほうが、子どもにとっても親にとっても幸福感の度合いが高まるのではないかと思っている。

「子育ての根幹ともいえる触れ合いや愛情表現などによって、幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンが脳内で分泌されて心が安らぎ、その子のレジリエンス(心の回復力)が鍛えられ、いろいろなことに挑戦できる子になっていく。しっかりしたエビデンスに基づいた記事により、読み手にこれらのことが伝わりやすくなっているのもいいなと思いました」

【話題の記事】
親の「赤ちゃん言葉」は幼児期の言語習得に影響する

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トムソン・ロイター、第1四半期は予想上回る増収 A

ワールド

韓国、在外公館のテロ警戒レベル引き上げ 北朝鮮が攻

ビジネス

香港GDP、第1四半期は+2.7% 金融引き締め長

ビジネス

豪2位の年金基金、発電用石炭投資を縮小へ ネットゼ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 8

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 9

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 10

    「みっともない!」 中東を訪問したプーチンとドイツ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中