「パパ活」はドイツでは通用しない 若いだけで女子をもてはやす日本の不思議
*写真はイメージです。west - iStockphoto
援助交際が「パパ活」と名を変え、若い女性に広がっている。ドイツ出身のコラムニスト、サンドラ・ヘフェリンさんは「日本でパパ活が広がるのは『若い女性はそれだけで価値がある』という感覚が根強いからだ。ドイツでは若いだけでチヤホヤされることはない」という――。
外国人女性が驚いたニッポンの「パパ活」
日本には「リア充」「ドタキャン」「アラサー」、少し前にはやった「たぴる」など、辞書には必ずしも載っていないけれど、日常的に使われているスラングが数多くあります。
「パパ活」もそんなスラングの一つです。
以前、筆者があるSNSで「パパ活」にまつわるコメントをしたところ、日本語学校に通う外国人女性から「パパ活って何ですか?」と聞かれました。確かに「パパ活」という言葉を日本語学校で習うとは考えにくいです。
「パパ活は、若い女性が年上の男性に食事をごちそうしてもらい、お小遣いをもらうこと」だと説明すると、即座に「それは肉体関係があるということですか?」と直球の質問が返ってきました。
そういうこともあるかもしれませんが、基本的には年上の男性が「若い子と食事や会話を楽しむこと」に対価(お金)を払うのがパパ活です。肉体関係があるとは限らない旨を説明すると、一層驚いていました。
欧米にも「パパ活」の「パパ」を意味する「シュガーダディ」という言葉が存在しますが、どちらかというとドラマや小説の世界を連想させるもので明らかに「別世界」感が漂うのです。筆者が出身のドイツでは大学生から「シュガーダディ」という言葉を聞くことはまずありません。
今回はドイツと日本を比べながら「パパ活」を通して見えてくる恋愛観の違いにスポットをあててみます。
若い女性がチヤホヤされないドイツ
ドイツの年齢肌用の美顔クリームの広告では、皺しわの多い女性がモデルさんであることが少なくありません。ドイツには「年齢を重ねているのに皺が少ないのは不自然だ」という考え方があり、あくまで自然な美しさが追求されるからです。「女性が若く見えること」は日本ほど重要視されていないのです。
日本のメディアでは「美魔女ブーム」をみても分かるように、年齢を重ねても若く見える女性がよく話題になります。「若く見える」だけでなく「実際に若い」女性はさらにチヤホヤされがちです。日本のアイドル文化はその最たるものだといえるでしょう。
筆者が日本に来た20代前半のころ、ドイツにいた時と比べて、周りがチヤホヤしてくれることが新鮮でした。男性だけではなく、年上の女性からも「若くっていいなあ~」「若いと色んな経験ができるからいいね!」「貴女を見ていると若い時に戻りたいなあ」などと言われたものです。
もちろん社交辞令である場合もありますが、その根底には「女性が若いことはよいことだ」という共通認識があることもまた確かなのです。
ただ当時「せっかく若いんだから自分をもっと高く売りなよ」「今が一番女性として価値が高いんだから」「ギャラ飲みとかすればいいのに」とも言われ複雑な気持ちになったものです。