投資に役立つ考え方「DCF法」に慣れよ...辞めゴールドマンが明かす「富裕層の知恵」
たとえば、あなたが毎年100万円の利益を生み出すビジネスをしていたとして、「このセミナーを受講すれば5年間に亙って年10%売り上げを伸ばします」というビジネスセミナーがあったとします。
そこでDCFを用いてそのビジネスセミナーの現在価値を計算します。割引率を2%として簡略化すると以下のようになります。
何もしなければ5年間の利益総額は500万円(①)、セミナーを受講すると年10%の複利により利益総額は約672万円(②)。
それらを、それぞれ割引率を用いて「現在価値」に引き直すと、セミナーなしでは約471万円(③)、ありだと約631万円(④)となりますので、その差額を「今日の」セミナーのフェアバリューとするなら631万円-471万円=約159万円(千円以下は四捨五入)という計算になるわけです。
したがって「そのセミナーなら100万円支払ってでも受けたほうがいい」という投資の意思決定ができるのです。
これは話を簡略化するために省略していますが、実際は6年目以降もこのセミナーを受講したことによって生じた差が続くため、その永続的な価値も評価する必要があります。
興味がある方は「DCF」や「ターミナルバリュー」というキーワードで検索していただければと思います。この概念まで取り入れると、理論上はこのセミナーは「3,000万円以上払ってでも受講する価値がある」となります。