「宮殿は我慢ならない」王室ジョークにも余裕の笑み、日陰の存在だったカミラ王妃の「素顔」に迫る
FOR DUTY, FOR LOVE
深い共感と結び付いた情熱
19年にもカミラの訪問があったと、ダグラスは続ける。
「スウィンドンの里親家庭と会うことになった。子供と家族の安全確保のため非公開の訪問になった。彼女はハイグローブ(王室が所有する田舎の邸宅)からたくさんの贈り物を携えて来て、本も届けた。単なる読書への情熱ではなく、家族への深い共感と結び付いた読書への情熱だ」
ナショナル・リテラシー・トラストは学校に1500の図書室を開設しているが、カミラはトラストの活動で刑務所も訪れており、受刑者たちと図書室で語り合ったこともある。
チャールズが即位して以来、イギリス国内外で君主制廃止論が高まり、抗議活動が増えている。ミドルズブラ訪問も例外ではなかった。
チャールズとカミラが「散歩」をする間、警察官は少人数で声を張り上げる抗議者たちを遠ざけた。もっとも、王室の支持者のほうがはるかに多く、2人は多くの人と握手を交わして短い会話を楽しんだ。
ローナ・グラフトンという女性の前で立ち止まった2人は、彼女の100歳の誕生日を祝福した。チャールズは「私たちからです」と言って、君主が節目の年齢になった臣下に贈るカードを差し出した。
2人を乗せた車が出発しようとしたとき、カミラは群衆の中に見覚えのある顔に気付いた。30年ほど前から王室を追いかけているグラスゴー出身のシーラ・クラーク(67)は、国王と王妃をひとめ見るためだけに友人とスコットランドから約300キロを旅してきた。
「彼女はわざわざ車を降りてきてくれた。グラスゴーやロンドンなど、いろいろなところで私たちを見かけていたから。私たちに挨拶したかったと言ってくれた」