「ネイティブ並み」は目指す必要なし? グローバル時代の新たな英語観「ELF(エルフ)」とは
それでは、誰でも話しやすいテーマで、実際に意見を述べる型を使ってみよう。
「リモートワークは今後も続けるべきか?」について意見交換をしている社内のミーティングで、自分の意見を述べる。この型を使って、「時間の有効利用ができる」という理由で、在宅勤務の維持に賛成する。
The Benefits of Working from Home
(I hear many different opinions on this topic, and I appreciate your thoughts.)
I believe that work from home is a good option and should continue.
Working from home saves time. Without commuting, people can use their time better, spend more moments with family, and get enough rest.
For example, since I started working from home, I get more work done in less time. Because I don't commute, I can start my work feeling fresh. After work, I have more time to relax and enjoy life.
Some jobs need people in the office, but many jobs can be done well at home. This is why working from home should continue to be an option.
この例文では、最初に意見・立場を明らかにし、その後理由を述べ、根拠となる例を加え、最後に自分の立場を短くまとめている。このように話すことで、誰にでも理解しやすくなる。
英語自体はシンプルで分かりやすいが、構成が明確で論理的なため、決して稚拙な印象を与えない。
もちろん、この型は柔軟に応用ができる。
理由や背景をより詳しく説明する
複数の理由を加える
シンプルな構成を応用して、より複雑な展開をする
型を使うことで、説得力も増すし、理解も容易である。
この「意見表明の型」は最もシンプルな構成の型だが、英語で使われる型は多様である。「あるテーマについて賛成・反対の意見を検討」したり、「自分の経験を話」したり、「学術的な議論を展開」したりなどがある。英語で話す時だけでなく、メールやレポートを英語で書く時も、型を活用すると、英語で効果的なコミュニケーションができる。
本書『使うための英語──ELF(世界の共通語)として学ぶ』(中公新書)では、さらに多くの型を紹介しているので、活用していただきたい。
英語での意見表明には「Politeness(丁寧な表現)」も重要
本稿では詳しく述べるスペースがないが、英語で話す時には、相手の気持ちや文化を考えることも非常に重要である。
特に、意見を述べたり、懸念を表明したり、反対意見を言う時には、相手の気持ちを尊重し、異なる文化について配慮する必要がある。これは日本語でも同じだが、そのための表現、Politeness(丁寧な表現)を日本の英語教育で学ぶ機会が少ない。
Politenessとは、自分の意見を強く主張しすぎず、相手を尊重し、まわりの意見も積極的に聴くことであり、これによって、よりスムーズで信頼関係にむすびつくコミュニケーションが可能になる。英語のPolitenessのより詳しい説明については、本書を参考にしていただきたい。
『使うための英語──ELF(世界の共通語)として学ぶ』
瀧野 みゆき (著)
中公新書
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