「ドジャースの歴史に不可欠...」最強チームが佐々木朗希にほれ込んだ「納得の理由」とは?
“My Journey Is Just About to Begin”
そんな6年越しの努力が実った。佐々木もドジャースのフロントの安定感(フリードマンは14年10月からずっと編成を仕切っている)に好感を抱いていた。
しかもドジャースには、徹底して勝負にこだわる一方で、傘下の選手をきちんと育てる風土がある。若い佐々木にはぴったりだ。
ドジャースの資金力は群を抜いているし、現時点ではあらゆる面でMLBのトップに立つ。気前はいいし、編成部門の巧みなトレード術が選手にいい刺激を与えているし、デーブ・ロバーツ監督とコーチ陣が現場で日々勝利への意欲をかき立てている。
佐々木はまだ若いが、既に一人前の大人の自覚があるように見える。昨年11月に、千葉ロッテマリーンズが佐々木のポスティングシステム利用を承認した後、伝えられるところではMLBの20球団が佐々木側に接触した。
佐々木は交渉期間中、面談した8球団に「宿題」を出している。佐々木の平均球速は、かつて時速160キロ近くを記録したこともあったが、昨季はそれより平均3キロほど落ちていた。そこで彼は各球団に、球速が落ちた原因を突き止め、元に戻すためのプランを提出するよう求めた。
それは球界における最高の頭脳の持ち主たちからトレーニングのヒントを引き出すための賢い試みだった。
「各球団が得意分野をアピールする絶好の機会」を用意したのだと、代理人のジョエル・ウルフは昨年12月に記者団に語っている。「あれで各球団の佐々木に対する分析力や、コミュニケーション力を見ることができた」