最新記事
炎上

「白人を泣かせたい」 批判集まる『スター・ウォーズ』新作主演女優の発言...その意図は?

'Star Wars' Actress Amandla Stenberg's 'White People' Remark Sparks Fury

2024年6月11日(火)17時06分
シャノン・パワー
『スター・ウォーズ:アコライト』の英国プレミアに登場したアマンドラ・ステンバーグ

『スター・ウォーズ:アコライト』の英国プレミアに登場したアマンドラ・ステンバーグ Fred Duval-shutterstock

<『スター・ウォーズ:アコライト』で主演を務めるアマンドラ・ステンバーグ。過去のインタビュー動画が批判の的となっているが、文脈を無視した「切り取り」が行われている>

ディズニープラスで配信を開始したドラマ『スター・ウォーズ:アコライト』に出演している女優アマンドラ・ステンバーグが、ソーシャルメディア上で非難を浴びている。

人種間の関係を描いた2018年の映画『ヘイト・ユー・ギブ』で主役を務めたときに、映画の目標は「白人を泣かせる」ことだと発言した動画が広まったためだ。

ステンバーグは現在『スター・ウォーズ:アコライト』で主演しているが、その配役とは無関係な2018年の動画が再浮上した。保守派のソーシャルメディア・アカウントで文脈を無視して共有され、怒りを買っている。

ノンバイナリーであると公表しているステンバーグは、2018年に映画『ヘイト・ユー・ギブ』のプレスツアーの一環として、ケーブルTVチャンネル「コメディ・セントラル」の番組『ザ・デイリー・ショー』に出演した。トレヴァー・ノアがキャスターを務める番組だ。

『ヘイト・ユー・ギブ』は、目の前で友人が警官に撃たれたことをきっかけに活動家になった若い黒人女性の物語だ。

番組のキャスターであるノアは、ステンバーグに対して「映画を観た人に何を持ち帰ってほしいか?」と質問した。ステンバーグは「白人を泣かせることが本当の目標だった」と答えた。

『ザ・デイリー・ショー』は時事問題への風刺的なアプローチで知られる。2012年に映画『ハンガー・ゲーム』でルーを演じたステンバーグは、この質問に答えた後、真剣な表情を浮かべながら、『ヘイト・ユー・ギブ』には白人の共感力を養う助けになるという意図があると述べていた。

「出来事をねじ曲げて伝えたメディアの影響を受けている人々に心から共感してもらい、私たちのコミュニティーの立場で考えてほしかった」

「(黒人に対する暴力的な)事件は単なるニュースではなく、現実の人々に起きていることだと理解してほしい。このような出来事は私たちにとても深く広い影響を与えている」

現在共有されている動画には、これらの説明は含まれていない。

映画『ヘイト・ユー・ギブ』は、アンジー・トーマスが2017年に発表した同名のヤングアダルト小説が原作だ。

ハーパーコリンズ傘下のバルザー・アンド・ブレイから出版されたこの小説は、カリフォルニア州オークランドで2009年、22歳の黒人男性オスカー・グラント3世が、ベイエリア高速鉄道(BART)を警備する白人警官に射殺された事件を題材にしている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザ紛争、レバノンなどへの拡大を懸念=国連事務次長

ワールド

米政権のSNS偽情報削除措置認める、最高裁 

ワールド

EU加盟国、ベラルーシ制裁に合意 ロシア制裁の抜け

ビジネス

ユーロ圏への加盟候補国、いずれも基準満たさず=EC
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:小池百合子の最終章
特集:小池百合子の最終章
2024年7月 2日号(6/25発売)

「大衆の敵」をつくり出し「ワンフレーズ」で局面を変える小池百合子の力の源泉と日和見政治の限界

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア軍部隊を引き裂く無差別兵器...米軍供与のハイマースが禁断のクラスター弾を使った初の「証拠映像」がXに
  • 2
    「悪名は無名に勝る...」売名の祭典と化した都知事選の源流は11年前の「選挙フェス」にあった
  • 3
    傷ついて「帰国」したハイマース2台、ロシアにやられた初めての証拠か
  • 4
    ワニの襲撃で男性が腕を失う...発見者が目撃した衝撃…
  • 5
    8人負傷のフィリピン兵、1人が「親指失う」けが...南…
  • 6
    貨物コンテナを蜂の巣のように改造した自爆ドローン…
  • 7
    アルツハイマー病の症状を改善する治療法が発見された
  • 8
    ハイマースに次ぐウクライナ軍の強い味方、長射程で…
  • 9
    「大丈夫」...アン王女の容態について、夫ローレンス…
  • 10
    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…
  • 1
    「何様のつもり?」 ウクライナ選手の握手拒否にロシア人選手が大激怒 殺伐としたフェンシング大会
  • 2
    偉大すぎた「スター・ウォーズ」の看板...新ドラマ『アコライト』を失速させてしまった「伝説」の呪縛
  • 3
    スカートたくし上げノリノリで披露...米大物女優、豪華ドレスと「不釣り合い」な足元が話題に
  • 4
    アン王女と「瓜二つ」レディ・ルイーズ・ウィンザーっ…
  • 5
    ロシア軍部隊を引き裂く無差別兵器...米軍供与のハイ…
  • 6
    韓国観光業界が嘆く「中国人が戻ってこない」理由
  • 7
    電気自動車「過剰生産」で対立するG7と中国──その影…
  • 8
    8人負傷のフィリピン兵、1人が「親指失う」けが...南…
  • 9
    貨物コンテナを蜂の巣のように改造した自爆ドローン…
  • 10
    ワニの襲撃で男性が腕を失う...発見者が目撃した衝撃…
  • 1
    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に
  • 2
    ニシキヘビの体内に行方不明の女性...「腹を切開するシーン」が公開される インドネシア
  • 3
    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「回避」してロシア黒海艦隊に突撃する緊迫の瞬間
  • 4
    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が…
  • 5
    接近戦で「蜂の巣状態」に...ブラッドレー歩兵戦闘車…
  • 6
    新型コロナ変異株「フラート」が感染拡大中...今夏は…
  • 7
    ヨルダン・ラジワ皇太子妃の「マタニティ姿」が美しす…
  • 8
    早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思ってい…
  • 9
    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車…
  • 10
    認知症の予防や脳の老化防止に効果的な食材は何か...…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中