「脅すのではなく、前向きなメッセージで」...地球に優しい行動をサイケなアートで「励ます」理由とは?
どちらのプロジェクトも口コミで広まり、オリジナルと同じくらい象徴的な存在になった。
来るべき未来の不穏なイメージを提示するという見事な仕事をしてきたロススタインは最近、ロックポスターの新プロジェクトを始めた。
「初めは、事態を解決しなければ何が起こるかを示すことだった」と彼女は言う。「今は、気候変動と闘う前向きな変化に焦点を当てたいと思う」
そして誕生したのが60年代ロックをテーマに、ウッドストックをもじった「グッドストック」だ。大胆な文字デザインで、「森林を守ろう」「食品廃棄物をなくそう」など、地球に優しい行動を奨励するさまざまなスローガンが掲げられる。
これを見た人全員が行動に移すという幻想は抱いていないが、メッセージの簡潔さは美点だと彼女は言う。「解決方法については情報が多く、圧倒される。一目で理解できるくらいにまとめたほうがいい」
次の計画は、生物の珍しい特徴で人々の関心を引く作品だ。候補はウミウシとセコイアの木。「セコイアにはサケのDNAが含まれている。そうした自然の細部がどれほど素晴らしいかを表現したい」
手法はプロジェクトごとに変わるが、一貫した目標は気候変動への関心を呼び起こすこと。「役立つアートを作りたい」という思いだ。