再契約か新天地か、注目される大谷翔平「争奪戦」の行方...大本命はあの球団?
WHERE WILL HE PLAY IN 2024?
エンゼルスのユニフォームでプレーする姿はもう見られないのか Conor P. Fitzgerald-Shutterstock
<戦線離脱もア・リーグMVPは当確、この冬FAの大谷を射止めるのはあの球団? 筆者はMLB取材歴32年のスコット・ミラー>
大谷翔平の2023年は静かに予期せぬ形で幕を閉じた。8月に右肘の靭帯を損傷したのに続き、9月初めに右脇腹を痛め、9月19日に右肘の内側側副靭帯の手術を受けた。
荷物の消えたロッカーを前に、たちまち臆測が飛び交った。大谷がロサンゼルス・エンゼルスでプレーするのは今季限りとなるのか。今季も二刀流で活躍しただけに、野球業界はこの話題で持ちきりだ。
24年、彼はどこでプレーするのか。大本命はロサンゼルス・ドジャースだ。ドジャースは大谷への関心を隠さない。今年の夏前にトレイ・ターナーやジャスティン・ターナーといった主力選手を放出して報酬を軽減。来季を見据えて資金に余裕をつくると表明しているのも同然だ。
ドジャースなら大谷は移籍しやすいだろう。南カリフォルニアは既によく知るエリアで明らかに居心地もよさそうだ。この11年間で、ドジャースはナショナルリーグ西地区で10回優勝。大谷は優勝できるチームでプレーしたがっている。ドジャースはニューヨーク・ヤンキースと並ぶMLB有数の名門球団だ。
同じ西海岸のシアトル・マリナーズはイチローや佐々木主浩が長年在籍した実績を持ち、現実味がある候補とみられている。サンフランシスコ・ジャイアンツやサンディエゴ・パドレスなど西海岸の球団も同様だ。
エンゼルスは大谷の残留を望むと明言しているが、大谷の入団以来の6年間でまだ一度も優勝していないことが、交渉決裂の原因になりかねないと業界関係者はみている。
「私たちはみんな彼が好きで、私も彼が好きだから、ここに長くいてほしい」と、エンゼルスのペリー・ミナシアンGM(ゼネラルマネジャー)は語った。
エンゼルスが8月1日のトレード期限に大谷を放出しなかったのは、1つにはプレーオフ進出をにらんでのことだ。大谷が今季終了後フリーエージェント(FA)になって他球団と契約した場合、エンゼルスが得られる補償指名権は1つだけ。そのため彼を複数の有望な選手とトレードすべきだったとの見方もある。だが大谷は今季、過去3シーズンで2度目のアメリカンリーグ最優秀選手(MVP)に選ばれる見込みだ。
そこでエンゼルスは大谷をトレードせず、この冬の再契約に全力を尽くすと誓った。だが実際は大谷の入団以降、負け越し続き。問題があるのは大谷ではなく球団側だ。