最新記事
MLB

再契約か新天地か、注目される大谷翔平「争奪戦」の行方...大本命はあの球団?

WHERE WILL HE PLAY IN 2024?

2023年10月4日(水)12時40分
スコット・ミラー(MLB専門スポーツジャーナリスト)

右肘手術の影響は未知数

スポーツベッティングサイト「SportsBetting.ag」の予想では、大谷がエンゼルスと再契約しない場合の他球団の獲得オッズはドジャースが2倍でトップ。マリナーズ3.5倍、ジャイアンツ5倍、パドレス7倍、ヤンキース7.5倍と続く(9月27日現在)。

資金力のあるヤンキースは軽視できないが、ニューヨークという街が大谷の性に合うかどうか。エンゼルスでは彼のたっての希望で報道陣の取材に応じるのは原則登板後のみ、8月8日以降は取材に応じていない。だが、ニューヨークでは押しの強い報道陣から取材攻勢に遭うだろう。

業界関係者の間では、大谷がこの冬FAになれば10年契約で5億ドル以上を提示されるとの見方もある。右肘手術の影響は未知数だが、彼の人柄と実績を思えば提示額は大して下がらないとみられている。

「24年の開幕日には完全に回復して何の制約もなくヒットを打つ準備ができていて、25年には投打両方をこなせるはずだ」と、執刀したニール・エルアタラッシュ医師は言う。

エンゼルス在籍中は、他球団による大谷との公式な交渉は野球協約で禁止されている。だがワールドシリーズ終了翌日から大谷はFAになる。

「彼を獲得できるのは、契約書を空欄のまま差し出して彼の希望どおりに記入させる球団だ」と、MLBの某ベテランスカウトは匿名を条件に語る。「そんなことができる球団がどのくらいあるだろうか」

ドジャースは今季開幕から大谷が登板するたびにスカウトを派遣し、彼の全投球に目を光らせてきた。

今回の右肘のけがと「値段」の高騰を考えると、ドジャースが彼を獲得する公算が増す、との見方もある。「右肘の故障で獲得を諦めざるを得ない球団も出てくるはずだ。ドジャースが7億5000万ドル払ってもいいと言うなら、獲得の可能性はある」と、前出のスカウトは言う。

それでも大谷の実績と日頃の努力を知りながら彼に賭けない者がいるだろうか。「彼はこの3年間、かつてどんな選手も経験したことのないほど素晴らしい経験をした」と、エンゼルスのミナシアンGMは言う。

大谷は今季、打者としては打率3割4厘で、本塁打44と塁打325はア・リーグ首位。投手としては投球回132で防御率3.14。奪三振167で与四球はわずか55だ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏消費者信頼感指数、11月はマイナス13.7

ワールド

ロシアのミサイル「ICBMでない」と西側当局者、情

ワールド

トルコ中銀、主要金利50%に据え置き 12月の利下

ワールド

レバノン、停戦案修正を要求 イスラエルの即時撤退と
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 2
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッカーファンに...フセイン皇太子がインスタで披露
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 5
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 6
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    習近平を側近がカメラから守った瞬間──英スターマー…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中