ドラマ『神の雫』主演の山下智久が語る、混沌の先の新境地──仕事も人生も「量から質」へ
Yamashita on Yamashita
PHOTOGRAPH BY KOSUKE OKAHARA FOR NEWSWEEK JAPAN, HAIR AND MAKEUP BY ICHIKI KITA, STYLING BY GO MOMOSE
<もうすぐ40歳が見えてきた山下智久が明かす、世界への挑戦とワインのある暮らしと人生の質>
近年、日本を飛び出し海外作品にも積極的に参加している山下智久。9月15日からHuluで独占配信が開始する日仏米共同製作ドラマ『神の雫/Drops of God』に主演し、仏女優フルール・ジェフリエと共演することが話題を呼んでいる。山下が演じるのは、若きカリスマワイン評論家である遠峰一青(いっせい)だ。
今回が海外ドラマ初主演となる山下は、本作を通してどんな世界を見、何を得たのか。本誌・小暮聡子が聞いた。
――国内で映画やドラマの主演を重ねてきた山下さんにとって、『神の雫/Drops of God』は海外ドラマ初主演作。この役をつかんだ経緯は。
(メインキャストの1人として出演した)国際ドラマ『THE HEAD』(2020年よりHuluで配信中)のプロモーションでカンヌに行ったときにプロデューサーさんにお会いしたことがきっかけだ。『神の雫』は原作漫画が世界的にヒットしていて、プレッシャーや不安はもちろんあったけれど、また新しい監督や共演者と一緒に作っていけるという喜びと、希望のほうが大きかった。
――今回のドラマの原作は日本の作品だ。世界に向けて発信することに何か特別な意識はあるか。
近年はあまり、どこの国のものという概念はないのかなと思っている。ストーリーとして魅力的かどうかが重要なのかなって。それがどこの国の作品だろうと、面白ければ見てくれるし、面白くなければそれまでだ。
なので、日本のものという意識よりは、ストーリーをどれだけ魅力的にできるかということのほうを僕は重要視している。実際に作っていくと、監督の視点や、現場でのディスカッションの中で日々変わっていくもので、その過程はすごく楽しかった。
――いつどこで撮影したのか。
21年の夏から約10カ月間、フランス、タイ、日本で。タイでの撮影は日本のシーンで、コロナ禍で日本では撮影できなかった分を撮影した。
フランスは、南フランスとパリで合計4カ月くらい。今回もマネジャーは同行せずに単身で、出演者はみな同じホテルで生活していた。僕はダイエットしなくちゃいけなかったので、ほぼ自炊して。6~7キロくらい痩せた。