米人気バンド、ライブ中のファンサービスが裏目に出て「大ブーイング」浴びる...大荒れの会場から無言で退場
The Killers Booed at Concert Over Russian Drummer
モニターに映るブーイングをするジョージア公演の観客(8月15日) Ekaterina Pirogova/via REUTERS
<東欧ジョージアでの公演で、ロシア人ファンをステージに呼んで、みんな「兄弟姉妹」だと語ったことに観客の怒りが爆発。コンサートは台無しに>
アメリカのロックバンド「ザ・キラーズ」が8月16日、謝罪を発表した。東欧の国ジョージアでのコンサート中に、ロシア人のファンをステージに上げ、みんな「兄弟姉妹」だと観客に語り掛けたことについてだった。発言の直後には客席から怒りのブーイングが起き、会場から出ていく観客たちの姿も多くみられた。この様子を撮影した動画は、SNSでも拡散されている。
■【動画】ザ・キラーズに浴びせられる大ブーイング...バンドは挨拶もなくステージを去った
ザ・キラーズは、2000年代初頭にラスベガスで結成されたオルタナティブロックバンドで、約20年間でグラミー賞に7回ノミネートされ、全世界で2800万枚ものアルバムを売り上げている。現在、9月上旬まで続くヨーロッパツアーの真っただ中で、15日夜には、ジョージア、バトゥミのブラック・シー・アリーナで公演を行なっていた。
公演中、ザ・キラーズはずっと以前からライブで続けてきたファンサービスとして、客席のロシア人ファンをステージに招き、ドラムを叩いてもらった。その間、フロントマンのブランドン・フラワーズは、ロシア人とジョージア人は「兄弟姉妹」だと観客に語り掛けた。
ジョージアにおいて「ロシアは占領者」
しかし両国には歴史的な因縁があるだけに、客席からはブーイングが沸き上がり、公演は台無しになってしまった。ジョージアの首都トビリシを拠点に活動するジャーナリスト、マリアム・ニクラーゼはその後、ファンたちが客席から立ち去り始め、ザ・キラーズは別れを告げることもなくステージを下りたと報告している。
ニクラーゼはまた、コンサートの動画をX(旧ツイッター)で共有した。
ニクラーゼの投稿は、ジョージアの活動家アナ・アプツィアウリの投稿に反応したものだった。アプツィアウリはザ・キラーズに対し、ジョージアにおいて「ロシアは占領者」であり、ジョージアでの公演は「今回で最後になる」と忠告した。
この一件を受け、ザ・キラーズはXの公式アカウントにメッセージを投稿し、悪気はなかったこと、ファンをステージに上げることは恒例であることを強調した。また、「兄弟姉妹」というフラワーズの発言は、バンドと観客の関係を指しており、アプツィアウリが主張しているように、ロシア人とジョージア人を指しているわけではないと弁解した。