最新記事
海外ドラマ

「アジア系の描かれ方は変わった」...『エブエブ』俳優がドラマ『アメリカン・ボーン・チャイニーズ』に尻込みした理由

“It’s My New Best Friend”

2023年6月23日(金)16時42分
H・アラン・スコット(ライター、コメディアン)
キー・ホイ・クァン

アカデミー助演男優賞のオスカー像は「私の新しいベストフレンド」 JARED SISKIN/GETTY IMAGES FOR KARL LAGERFELD

<アジア系アメリカ人の平凡な高校生が『西遊記』の人物と巡り合って人生が大きく変わる物語。90年代と異なるのは、アジア系の描き方>

この春、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でアカデミー助演男優賞を受賞したばかりのキー・ホイ・クァンの新作が早くも公開。

ドラマ『アメリカン・ボーン・チャイニーズ──僕らの西遊記』の配信が、ディズニープラスで5月24日から始まった。このドラマは、ジーン・ルエン・ヤンの同名のグラフィックノベル(邦訳・花伝社)を映像化したもの。

アジア系アメリカ人の平凡な高校生ジン・ワンが『西遊記』の世界の人物と巡り合ったことで人生が大きく変わり......という奇想天外な物語だ。一連の経験を通じてワンが「自らのアイデンティティーを見いだそうとする」過程が描かれる。

クァンが演じるフレディ・ウォンは、1990年代のメロドラマで一世を風靡した架空のアジア系俳優。フレディがかつて演じたのは、アジア系に対する固定観念を痛々しいくらい誇張して描いた役だった。

「当時、アジア系の俳優に回ってくる役の多くは、アジア系の固定観念に沿ったものだった」と、クァンは振り返る。しかし時代は変わったと、彼は語る。

「だからこそ、(マイノリティーに)公正な機会を約束することが重要な意味を持つ。(マイノリティーを)実際に目にすれば、理解が進み、恐怖心が薄らぐものだ」

ライターのH・アラン・スコットがクァンに話を聞いた。

◇ ◇ ◇


──このドラマで最初に興味を引かれた点は?

アジア系の人間の多くにとって、『西遊記』はなじみ深い物語だ。それをアメリカの視聴者に紹介できると思うと、胸が躍った。

自動車
DEFENDERの日本縦断旅がついに最終章! 本土最南端へ──歴史と絶景が織りなす5日間
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ソフトバンクG、オープンAIに追加出資 最大5.9

ビジネス

大企業・製造業DIは4期ぶり悪化、非製造業は91年

ワールド

ブラジル前大統領、ルペン氏公職追放を「左派的司法活

ワールド

中国軍、台湾周辺で陸海軍・ロケット部隊の合同演習
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 9
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中